光学式CMM機器とは
従来、CMM(三次元測定機)は大規模な上、据え付け型であり、基本的に接触型です。しかし、3Dスキャナのような光学式CMM機器は状況を一変させ、更なる多用途性を備え、迅速で非接触の形での3D計測を可能とします。この記事では、それぞれのテクノロジーの違いをまとめ、その機能方法をご説明し、最新の検査用ソリューションの詳細を探っていきます。
光学式CMM機器とは

医療用部品を分析中の光学式計測機器Zeiss O-Detect。写真は、Carl Zeiss AG社のご厚意により掲載
最も簡単にご理解いただくため、ここでは従来のCMMの定義からご説明いたします。基本的に、CMMは実際のプローブを利用し、精度をもって測定を行う機器です。このようなXYZ線形軸を中心に開発された機器は、3D空間における幾何学的特徴を記録します。このテクノロジーは、特に高度に正確な3D計測、及びサーフェスのディテールの検出に長けています。
しかしながら、従来のCMMはかなり大型で、その運用にも高額の費用が掛かります。壊れものの製品を扱う場合はプローブにより破損が生じる恐れがあり、その用途が特定の事例に限定されてしまいます。
これに対し、光学式CMM機器は非接触型3D計測専用に設計されており、カメラやレーザー、構造化光などのテクノロジーを利用してオブジェクトのジオメトリをキャプチャします。 CMM機器には多くの種類がありますが、それぞれに計測分野での用途があります。
CMM テクノロジーの進化
初期のCMM機器はダイアル式のインジケーターと硬いプローブに頼る形で、手作業での操作が行われていました。コンピューターによる管理、並びに3D計測が可能となったのは、一九六〇年代にアナログセンサーとサーボモーター式の軸が導入された際からです。それ以来、デジタル式エンコーダーがアナログ式のシステムにとって代わり、正確度と再現性が向上しました。
キーポイント
従来型のCMM機器では、実際のプローブを利用します。光学式CMM機器の多くは、非接触で多用途の代替手段となります。
最新型のCMM機器ではマルチセンサー測定(タッチトリガープローブ、スキャニング、光学式、及びレーザー光)が可能で、稼働はかつてない程度の自動化を実現する測定用ソフトウェアにより行われます。近年の進歩により、エンジニアが利用できるテクノロジーの種類も更に幅広くなり、光学式CMM機器は、更なる高速性と多用途性をもたらしました。AIの統合、クラウドコンピューティング、及びさらに幅広いデジタル複製診断の分野により、総合的なインダストリー4.0向けのワークフローが導入されている分野もあります。

タッチトリガープローブ、並びに非接触性レーザースキャナを装備したマルチセンサーCMM機器。写真は、Hexagon AB社のご厚意により掲載
光学式CMM機器の利用方法
ワークフローは、CMM機器の種類により若干、異なるものとなります。研究所にあるような光学式CMM機器のほとんどでは、パーツをプラットフォームに準備する必要があります。白色光、高解像度CCD/CMOSカメラ、レーザー三角測量センサーなどのキャプチャ用テクノロジーが、オブジェクトのサーフェスの接触不要での検出に利用されます。この他のハンドヘルド型機器も同様に非接触性ですが、マニュアルでの操作もでき、更なる柔軟性を持たせることが可能です。
キャプチャが完了すれば、データはCADモデルによる比較分析が可能となります。もしくは、成果品が正確で許容範囲内に納まっているかどうかを確認するために、フィーチャ間の距離や角度の単なる測定に利用することもできます。

ZEISS Inspect Optical 3Dにより検査の行われている3Dスキャンされたクランク室。
一般に、光学式CMMは大きく、据え置き型の機器ですが、ユーザーの方々の多くは、もう一つの種類のCMM機器の採用もご検討され始めました。それが、3Dスキャナです。このような機器は更なる高度な操縦性と速度を誇っていますが、テクノロジーそれぞれの比較については、後ほど述べていきます。 ここで注目すべき点は、光学式CMM機器は様々な形態をとり、正確さを優先させるものから、多用途性を持たせるよう開発されたものもある、ということです。
光学式CMM機器の拠りどころとなるテクノロジー
視覚・カメラセンサー:この設定では、制御された照明により照らし出された部分をカメラがキャプチャします。その後、画像処理アルゴリズムがエッジや穴、模様などのフィーチャを検出します。主な欠点は、Z軸方向の焦点走査と併用されない限り(合焦点法)、測定は2Dで行われることです。

稼働中のHP-Cビジョン・センサー。写真は、Hexagon AB社のご厚意により掲載
タイム・オブ・フライト/フェイズシフト:このテクノロジーに合わせ開発された機器は、レーザー光にも依存しています。しかし、距離の測定方法は異なり、レーザー光の戻ってくる時間か、もしくはレーザー位相の差を測定します。この方法はより遠くからの方が精度が良く、短距離では正確度が低下します。概して、この方法によれば、非接触のままでの直接の測定が可能となります。
白色光/色彩光:この手法の中心となるのは色収差で、異なった光の波長がオブジェクトへ向けてあらゆる距離から放射されます。白色光は色彩レンズを通して放射され、焦点の合った波長はそれぞれ、分光計で検出されます。このテクノロジーを用いて実際の高さを測定し、高い距離分解能を実現します。
レーザー三角測量法:基本的に、この方法ではレーザー光源、パーツのサーフェス、そして検出器の間に三角形を形成します。レーザー光がオブジェクトを反射して返ってくると、放射体とサーフェスの間の距離の測定に三角測量法が用いられます。この方法は、3Dプロファイルや起伏のあるサーフェスを持つ物品のキャプチャに適しています。

レーザー三角測量法によって検査が行われている車体。写真は、Carl Zeiss AG社のご厚意により掲載
構造化光:縞やグリッドのような模様をパーツに投影し、サーフェスのジオメトリによる変形の度合いを測定するやり方は、有機形状のキャプチャと同様に、大規模な領域のデジタル化、及び分析には非常に適しています。このテクノロジーは3Dスキャニングに利用されることが多いですが、その他の用途にも適用されています。
共焦点センサー:最後になりましたが、共焦点光学による機器もあり、この種類では特定の焦点面を見極めるために極めて小さな箇所に光を集中させ、反射光線の強さを測定します。実際には、最も鋭い反射光のみがキャプチャされ、ナノメーターレベルの解像度を実現します。
光学式CMM機器の様々な種類
接触型CMM機器-許容誤差が小さい検査向けに最適な、この種類の機器は実際のプローブによる計測に依存しています。この種のものには、ブリッジ式、カンチレバー式、及びガントリー式のCMM機器があります。
ハイブリッド光学式CMM機器-この種の機器は動画測定システム、共焦点顕微鏡検査用CMM機器、白色光干渉計などの視覚テクノロジーにより異なります。特筆すべきは、ハイブリッド光学式CMM機器は据え置き型であるものの、接触型、及び視覚を基にした手法を組み合わせたものである点です。

白色光・フェイズシフト干渉計Zygo New View 9000を使用中のウィスコンシン大学マディソン校のエンジニア。写真はウィスコンシン・ナノスケール技術センター(Wisconsin Centers for Nanoscale Technology)のご厚意により掲載
3Dスキャナ-厳密にいえば、光学式CMM機器である3D スキャナは、レーザー光や構造化光によるデータキャプチャを活用する傾向にあります。このようなシステムは三脚やロボットアームに固定することも、エンジニアの方によって対象オブジェクトの周りを動きながら操作していただくことも可能です。
光学式CMM機器としてのArtec社製3Dスキャナ
Artec Micro II
Artec社製3D スキャナは高い3D計測性能を誇るようになりましたが、機器自体は光学式CMM機器と捉えることができます。Artec Micro IIは手のひらに収まるものなら、最高五ミクロンの正確さで何でもキャプチャすることができます。更に良いことには、Artec Studio上でオートパイロット機能が統合されたため、キャプチャされたデータの自動処理も可能になりました。
この3Dデータキャプチャ・処理ソフトウェアでは、ボタンをクリックするだけでのスキャニング、及び3Dモデル製作を行っていただけます。Micro IIは起動していただくだけで、座標軸上でオブジェクトを回転させ、その過程でキャプチャを行います。メッシュデータはその後、指定フォルダに保存でき、エンド・ツー・エンドの検査ワークフローでの分析のために自動的に送信することも可能です。
Artec計測キット
計測に特化したソリューションをお探しの方は、弊社の計測キットを是非、ご検討ください。この3D光学座標測定システム一式は、その高度な精密さでリバースエンジニアリング、検査、そして3D計測において、驚きの二ミクロンの正確さをもたらします。
その用途には、タービン翼などの巨大な建設物における変形解析、自動車の品質管理、及び大規模な研究開発などがあります。6DoF、並びDAkkS認定済の上で機能する当計測キットは正確さが最も重要となるような用途に対応できる、非常に頼りになるソリューションです。
Artec Point
携帯可能なCMM機器の話題に移ると、 Artec社の初めてのレーザースキャナであるArtec Pointはトラッキング安定性も高い上、計測ツールとして扱うには十分な機敏さと正確さを持ち合わせています。ISO承認済みの研究環境においてVDI/VDE基準に対して検査済みである当機器は、産業用データキャプチャソリューションに期待される、あらゆる必要条件に適合します。
最高で二十ミクロンの正確さと解像度で異なる形状やサイズのオブジェクトの測定が可能なArtec Pointの主な特徴は、HDカメラと画期的な「角度を持った」デザインです。このことにより、キャプチャの難しいジオメトリを取得し、深い穴のような領域に入り込むことも可能となります。異なるタイプのサーフェスに対して三つのスキャンモードを備えているため、大規模なオブジェクトにはグリッド、入り組んだサーフェスには平行レーザー、あるいは穴や隙間の検出にはシングルモードレーザーを切り替えながらご利用いただけます。

Artec Pointにより3Dスキャンされる自動車のパーツ。
他のArtec社製3Dスキャナと違い、Artec Pointにはターゲットが必要です。しかし、計測業水準のハンドヘルド機器をお探しの産業メーカーの方なら、高い正確性、及び携帯性を持つソリューションに多くの価値を見出していただけるでしょう。Pointはこの点で、当てはまることが非常に多いはずです。
Artec Leo
ケーブル不要の3D計測に関して言えば、Artec Leoに匹敵する機器は、他にはないでしょう。Pointが多用途であるのに対し、Leoでは制限の無い自由さでのキャプチャを実際に行っていただけます。この一体型の携帯型CMM機器は完全ワイヤレス性で、最高で三千五百万ポイント毎秒でのキャプチャが可能な上、対象全体のキャプチャを確実に行うための内蔵ディスプレイが付属しています。その〇.一ミリメートルの正確度は、要求の多い用途に携わっている方にとっては魅力的ではないかもしれませんが、その他の方には十分な正確さをもたらします。
例えば、石油ガスのパイプラインの修復などの用途では、Leoであれば修復用クランプの個別製作に十分な正確さで、高温で近寄りがたい箇所のシームレスなスキャンが実現します。施設やインフラのキャプチャなど、更に遠くのものを取り扱う必要がある場合では、Ray IIのご利用も可能です。 Leoはここぞという場面で機械類、及びその詳細なディテールを取得します。

Artec Leoでキャプチャされる石油精製所の配管。写真は、Team, Inc.社のご厚意により掲載
キーポイント
完全ワイヤレスの機能性を持ち、ディスプレイを内蔵し、ターゲット不要で利用できるArtec Leoは、唯一無二の携帯性CMM機器です。
Artec Ray II
LiDARが測定におけるソリューションとみなされることは多くはありませんが、より大規模な検査を可能とするArtec Ray IIのようなスキャナもあります。従来のCMM機器にはオブジェクトの大きさに制約があるものが多い反面、Ray IIは現地へ持ち込んで設置し、建築物やインフラ全体を百三十メートルの距離から高い正確さでスキャンすることが可能です。このことから、同機器は橋梁の監視や工場のデジタル複製の作成などに最適です。
その幅広い撮影範囲により、Ray IIは法医学上の犯行現場や非常に長い線路、遺跡全体など、通常のCMM機器が対応する用途以外にもご利用いただけます。
キーポイント
3Dスキャナには、皆様の産業上の必要性に合致する測定用ソリューションをお選びいただけるよう、あらゆる形状や大きさをもつものが用意されています。
主な特徴
正確さ・精度:光学式CMM機器は接触型機器の持つ最高の正確さには及ばないかもしれませんが、ミリメートル単位以下(時には、数ミクロンまで)の正確さでのキャプチャを可能とし、これは大多数の3D計測の用途には十二分な性能です。
計測業においては、高精度は事実上、高再現性をもっての計測が可能であることを意味し、偏差が不良品の発生に繋がる恐れのある製造業分野で信頼のおける成果を挙げるには、精度が非常に重要となってきます。Micro IIのような光学式CMM機器の再現性は驚くべきもので、厳格な仕様書や規準に沿った上での測定が可能であると考えていただいても構いません。

〇.〇〇五ミリメートルの正確さを持つコンパクトな3DスキャナMicro IIであれば、 小さなパーツの検査が必要となった際に、従来の光学式CMM機器の優れた代替機器となります。
キャプチャ速度:プローブによる測定と比べると、光学式CMM機器はかなり高速であると言えます。例えば、構造化光を採用したArtec Leoは、数分のうちに小さなオブジェクトをキャプチャします。明らかなように、ご利用になるテクノロジーに拠るものの、非接触型CMM機器は一般的に、レーザー、光学式などの種類に関わらず、従来の接触型のデータ収集が可能とする速さよりも、高速に成果を挙げることを可能とします。
多用途性:従来、CMM機器は外部からの振動が測定の妨げにならないよう据え置き型となっており、その用途は現地でのデータキャプチャのみに限定されます。これに対し、携帯型のCMM機器はロボットアームに固定したり、個別での導入が可能であり、理論上で考えると、後者によれば可能性は無限大に広がります。製造業の方々には、いつでも、どこでも、必要なときに製品の品質分析を行っていただけます。
データ処理:プローブの設置されたCMM機器は、キャプチャされたポイントを座標系に変換するため、フィーチャの再構築に利用可能です。これに対し、3Dスキャナのような光学式CMM機器は、点群をメッシュに変換します。専用のCMMソフトウェアの装備は幾何公差設計(GD&T)向きであることが多いですが、Geomagic Control XやZeiss Inspect Optical 3Dのようなプログラムは3Dスキャニングのデータ取得を更に高速にするために役立ちます。
導入:光学式、携帯型のCMM機器は従来のものよりも制約が少なく、ロボットアームによるハードウェアの統合、及びサードパーティーの分析用ソフトウェアの活用双方を可能とします。
キーポイント
キャプチャされた3DスキャンデータはGeomagic Control XやZeiss Inspect Optical 3D、並びにPolyWorksなどの普及しているソフトウェアでの分析が可能です。
用途
製造・品質検査
光学式CMM機器は、ひとまとまりのパーツの計測のための生産用ワークフローへの直接の統合、及び操業の合間の点検のための生産ラインでの利用が可能です。このテクノロジーは、外部から取り寄せられたパーツが要求された基準を満たしているかどうかを確認するにも最適です。Ausco Products社が良い例で、このオフロード用ブレーキ製造企業はArtec社製3Dスキャニングをご利用になり、外部から調達した鋳物の検査をされています。耐性試験と同様に、同社では当テクノロジーにより、ブレーキがホイールウェルのような狭い箇所に納まるかどうかの確認も、製品の個別製作を加速化する形で実現しています。

Artec Studio上で距離マッピング機能を用いて検査されるピストンの鋳型。画像は、Ausco Products Inc.社のご厚意により掲載
全体的に見て、光学式CMM機器は 初回品検査から工程内分析、品質検査、並びに設計イテレーション向けのリバースエンジニアリングに至るまで、生産ワークフロー全般にわたって、その用途があります。
航空宇宙産業
航空宇宙産業においては、光学式CMM機器は精度、安全性、及び厳しい規準への順守には非常に重要です。これは、タービンエンジン製造過程での計測、機体組立、もしくは航空機の管理、修復、総点検など、生産工程で言えることです。しかし、需要の多い同産業での性質にかかわらず、正確さに対する要求は、思ったほど高くはありません。
航空機の部品の検査には、特に飛行に非常に重要なものでなければ、ミリメートル単位以下の正確さでのデータキャプチャで十分なことが多いのです。Artec社ゴールド認定パートナーである3DMakerWorld社はこのことを、Artec Leoによる小型機サドラーバンパイアのリバースエンジニアリングで実証されました。その際、予備の製品のデジタルライブラリーの製作により、顧客の方が自ら所有されている貴重な航空機を将来的に長持ちさせる支援も行われました。
自動車産業
航空宇宙産業のように、自動車産業での光学式CMM機器の用途も非常に幅広くなっています。溶接構造物を塗装前に検査を行う相手先商標製品製造企業(OEM)もあれば、当テクノロジーをご利用になった内装品の測定、もしくは規準順守のためにパワートレインやサスペンション用部品の確認も可能です。
このような使用事例は車両生産分野に限られることも無く、スポイラーや吸入口の追加や機能向上のための改良など、改造の分野へも容易に拡がっていきます。米国では、BD Engineering社が 驚くべきレベルの改造技術とArtec Leoをご利用になり、トヨタスープラドリフト車個別製作用MODを製作され、この考え方は新たな高みへと引き上げられました。

BD Engineering社のリバースエンジニアリングされたトヨタスープラ、及び計画されている改造内容。画像は、BD Engineering社のご厚意により掲載
医療機器の製作
医療機器の製作においては、光学式CMM機器は表面粗さ試験やオッセオインテグレーションのためにヒザ、臀部、及び脊椎インプラントの計測に多く利用されます。メスや鉗子、カテーテルなどの日々利用される手術用器具も、品質管理のために検査されます。
高品質の医療器具の不足は、実のところCOVID-19パンデミックの初期において、主要な問題となりました。これを回避するために3Dテクノロジーが注文対応の携帯型CMM機器、及び迅速な生産ツールとして世界中で採用されました。Assistance Publique – Hôpitaux de Parisでは、Artec Space Spiderがチューブや防護マスクなどの緊急医療必需品の検査に利用され、大変な時期に臨床医の方々の安全を守りました。
キーポイント
光学式CMM機器は、検査用だけのものではありません。 在庫品のデジタル化や、個別製作の機会をも、もたらします。
研究開発
製品研究開発の分野では主に、光学式CMM機器は初期段階の設計品の寸法的な正確さの検証に利用されています。試作品を3DスキャンしてCADデータと比較することは素早く、簡単に行うことができる上、非接触性でもあり、非破壊試験の形態をとります。注目すべきその他の側面には、設計検証、公差、及び、工程のごく初期における視覚化があります。
製品検査に加え、有名な履物ブランド企業であるASICS社は、Artec社製3Dスキャニングとフォトグラメトリをご利用になり、高度にリアルで魅力的なマーケティング用品を製作されました。驚くべき忠実度でキャプチャされたランニングシューズのモデルは、同社が品質検査の履行のみならず、同社製品に秘めたメッセージ、及びその魅力を消費者の方々にお伝えするお役に立ちました。

Artec社製3Dスキャニング、及びフォトグラメトリツールを用いて製作された、ランニングシューズの極めて本物のような3Dモデル。写真は、株式会社アシックスのご厚意により掲載
光学式CMM機器のご利用開始に当たって
では、光学式CMM機器の注目すべき点は何でしょうか。先に述べたとおり、システムは光学式キャプチャテクノロジーにより機能するものがほとんどで、構造化光、レーザー、もしくはカメラセンサー一式がこれに当たります。また、データ処理に特化した制御装置かソフトウェア、そして場合によっては、参照用ターゲットなどの微調整用ツールも必要となります。
皆様それぞれの用途にピッタリの光学式CMM機器を選ぶに当たっては、ご考慮になるべき点がいくつかございます。例を挙げると、オブジェクトの大きさは、非常に重要となります。お持ちのパーツが大規模の場合は、据え置き型のCMM機器では扱うことができず、素早く計測する能力もありません。正確さと解像度も、初めから検討すべき、大事な項目です。
ミリメートル単位以下の許容値に対処されている場合は、その要求を満たすことのできるシステムが必要です。場合によっては、職場そのものが(うるさかったり、振動しがちな場所であれば)要因ともなります。最後に、ジオメトリは皆様の決断の中心となるべき、非常に重要な要素となります。自由形状や穴のキャプチャには、他のものより適しているテクノロジー機器があるのです。
以上が、光学式CMM機器において注目すべき点についてのヒントになれば幸いです。計測業向けの3Dスキャニングや、計測データキャプチャツールとしてのArtec社製3Dスキャナの詳細は、弊社のラーニングセンターでご覧ください。個別のご相談については、sales@artec3d.comまでご連絡いただければ幸いです。
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従来のCMM(三次元測定機)では、オブジェクトを迅速に、そして傷つけないように測定するのが難航するケースがあり、特に穴や壊れやすい表面を持つオブジェクトを扱う際にそういった傾向があります。幸いなことに、3Dスキャンの進歩のおかげで、このような問題に対処できるようになりました。そのため、この技術はさまざまな部品検査の用途に対応できる手段として、CMMのシステムと競い始めています。
製造業においては、非破壊検査、あるいはNDTという言葉を普通に耳にします。しかし、実際には何を意味するのでしょう。NDTは破壊の不要な形で製品の特性を査定し評価するどのような工程をも表す、あらゆる状況に対応できる用語です。この記事では、NDTにより最善の成果を挙げることに繋がると考えられるワークフロー、用途、及び技術について見ていきます。
コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアは、異なる分野の様々な種類の工程で設計者やエンジニアに利用されており、設計、シミュレーション、製造、その他のあらゆる領域で業務を行っている方々の頼みの綱となっています。CADソフトウェアは、設計構想や草案の視覚化のみでなく記録にも役立ち、特許出願や設計の法的保護、適合性の検査を行うことが可能となります。