3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

3Dスキャナの選び方

2024年 7月 16日
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概要

プロフェッショナル向け3Dスキャナを新たにお探しですか? 要求に合ったソリューションを見つけることの難しさは、当社も承知しております。そのため、ここに皆様のご要望を正確に満たす製品を見出していただくためにお役に立つ、仕様から実務上で配慮する点に至るまでにおける、比較評価すべきすべての項目のチェックリストを作成いたしました。

テクノロジー
構造化光、ブルーライト、LiDAR、及びフォトグラメトリ
スキャナの特長
精度、解像度、速さ、距離、接続性、及びソフトウェア
重要ポイント
オブジェクトのサイズ、許容誤差、使い易さ、予算、サポート

How to choose a 3D scanner

今では、あらゆる形状や寸法を持つオブジェクトのキャプチャそれぞれに最適な3Dスキャニングソリューションがあります

初心者の方にとって、新しいテクノロジーの導入は地雷原にいるように思われるかもしれません。 誤った機器を選ぶと、最終的にご利用にならないようになる、高額で使いこなすのが難しい製品を押し付けられた気分になるでしょう。逆に、幅の広い分野であるため、その性能を向上させることも更に大変にお感じになるかもしれません。

3Dスキャニングを例に取ってみましょう。市場には先進テクノロジー機器が揃っているものの、その種類があまりに豊富で汎用的なソリューションの提供が難しい状態です。購買者の方はそれに対し、自身のニーズに最も合った手法を見出していく必要があります。

リアルで、かつジオメトリのキャプチャが全く不要のモデルやアバターの作成であれば、プロフェッショナル向け3Dスキャンさえも必要ではないのです。しかし、構造化光、ブルーライトやLiDARのようなテクノロジーを利用して機能する機器のみが、更なる正確で幅広い視野を提供することにより、先端的エンジニアリングに必要となる正確なデジタル複製の作成を可能とするのです。

それでは、購入すべきブランド、テクノロジー、機器を見極めるにはどうすればいいのでしょう。実際のところ、『何故、3Dスキャニングが必要なのか』を考えることから始め、そこから逆に辿っていくことが最善と言えます。この場合、ここではオブジェクトよりも機器自体の話ではあるものの、考え方はまさにリバースエンジニアリングのような形となります。

キーポイント

仕様だけを基に、3Dスキャナを選択することは避けてください。ご自身の用途におけるニーズを考慮されることが、最善の結果に繋がります。

3Dスキャナの選択

How to choose a 3D scanner

Artec Space Spiderのようなブルーライト採用機器であれば、極めて正確で高解像度のスキャンデータの取得が可能となります

第一に、個別のプロジェクトに求められるものを吟味することには時間を割く価値があります。3Dスキャニングの経験を持つグループとの業務の場合では、おそらく複雑なソリューションの有効活用が可能となりますが、そうでない場合は使いやすさを優先させて損はありません。

次に考慮すべきことは、リバースエンジニアリング、及び検査に必須となる精度、業務を素早く完了させるための速度、そして狭い領域での作業のための順応性です。極めてリアルな3Dモデルをお求めの場合は、解像度も検討事項となります。寸法の一貫性に特化した3Dスキャナ精度に対し、解像度はオブジェクトのサーフェスのポイント間の最小間隔を表します。

規模も用途により非常に異なるため、考慮することが重要です。エンジニアが事業計画の目的で巨大な敷地をキャプチャする必要のある、建設分野がおそらく最も顕著な例で、精度、及び正確さが対象領域よりも重要となる貴金属や歯科に属する方々とは全く違うニーズとなっています。

以上の側面それぞれを満たすことが、3Dスキャニングの出来栄えを最善のものとするために不可欠となります。しかし、このことを実際に成し遂げるにはどうすればいいのでしょうか。この点について、更に詳しく見ていきましょう。

1. 環境

How to choose a 3D scanner

屋外においてや大規模なキャプチャの場合は、百三十メートルの撮影範囲をカバーするArtec Ray IIが理想的と言えます

キャプチャ用テクノロジーの選択などの根本的な決断を下す前には、スキャンを予定している場所を比較評価することが必須です。複雑なオブジェクトのデジタル化には3Dスキャナの多用途性が必要となり、遠隔地での作業時には長寿命の電池が(おそらくその予備も)必携となります。

屋内と屋外での3Dスキャニングも、非常に異なります。屋外でのキャプチャ時にはライティング、並びに湿気が問題となります。同様に、長時間にわたる大規模なスキャン時には、三脚などに取り付け可能なソリューションが必要となります。温度が極端な場所ではスキャナが過熱しやすくなったり、精度の欠如が生じたりします。そのため、スキャナを直射日光の当たらないところに保管し、汚染物質から遠ざけることが望ましいと言えます。

2. 使いやすさ

How to choose a 3D scanner

Artec Leoのような携帯型スキャナであれば、自由に動き回りながら完璧なデータキャプチャを確実に行うことができます

現在では多くのプロフェッショナル級のスキャナが販売されていますが、習得の難しさが異なるため、すぐに機器の最大限の活用を可能としていただくためには、軽量で多用途性があり、ケーブルを必要としないスキャナを採用することが最善策であり、Artec Leoがその一例となります。対照的に、有線でターゲットを基盤としたスキャンは利用前にキャリブレーションが必要となり、その設定は更に扱いにくいものとなります。

付属品も考慮すべき点となります。お持ちの3Dスキャナが有線の場合、データキャプチャ時にPCのような機材を持ち運ぶ必要が生じます。輸送の容易さも迅速な配備には必須となり、この点ではコンパクトで持ち運び可能なソリューションが最適の場合が多く生じます。

次に必要となるのが、データキャプチャ、及び処理用ソフトウェアです。初心者の方にとっては、スキャンデータを利用可能なメッシュやCADモデルへ変換する過程は、新たにワークフローを設定する際に最も扱いにくいものとなりがちです。しかし、その出来を最適なものとするために利用できるヒントやコツは多くあります。例えば、皆さまにとって代わり、自動的に最適なデータ処理アルゴリズムを採用するプラットフォームもご利用いただけます。

フレームレート、及びトラッキングの面からでは、一般に最も簡単に利用できるのはプロフェッショナル向けの機器です。より安価な代替品はより魅力的に見えますが、質のより高い3Dスキャナによる生産性向上は、結果的に時間短縮、及び経費節約に繋がります。

キーポイント

皆さまに最適な3Dスキャナは、キャプチャを予定されているオブジェクトの大きさ、素材、及びサーフェスの複雑さに対処することを可能とします。

3. スキャン領域

How to choose a 3D scanner

3Dスキャニングであれば、敷地計画や最適化のための施設全体のデジタル化も可能となりました

3Dスキャンであれば、今では極めて小さいものから構造物や景観全体まで、あらゆるものをキャプチャできるようになりました。しかし、皆様の使用例がどの程度の規模になるかを評価することが重要となります。つまるところ、スキャン領域によって精度が犠牲になることが多いのです。

ご自身のワークフローで大規模なオブジェクトの3Dスキャンを実施される場合、 敷地、列車や自動車など如何なるものであっても、Artec Ray IIのような長距離用LiDAR機器は皆さまの味方です。これに対し、PCBやコンプレッサーなどの比較的小さいオブジェクトのキャプチャには、近づくことが困難な領域を高い詳細度でデジタル化できるよう開発された、迅速なハンドヘルド式3Dスキャナの方が向いています。

高速性や撮影範囲も、ここに関与してきます。ご推察のように、スキャナが毎秒ごとに取得するポイントの数が増加するほど、大規模のオブジェクトのデジタル化は更に高速化されます。同様に、機器の撮影範囲(あるいはスキャン一回で取得できる領域)がより幅広くなると、同時にキャプチャできるデータも増加します。 より広い撮影範囲はトラッキングに役立ちますが、処理により長時間を要する巨大なデータセットを生成するため、バランスを考慮することが大切です。

最後に、撮影領域についても比較すべきでしょう。3Dスキャニング領域においては、このことは深い穴部や鋭い歯車の切り下げなどの『視線』上の制約に対処する機器の性能を意味します。ハンドヘルド型の構造化光式機器特有の柔軟性が、ここでは優れた能力を発揮します。

4. 精度

How to choose a 3D scanner

ミリメートル以下の精度での3Dスキャニングは重工業から歯科まで、あらゆる分野で採用されています

携帯式3Dスキャナは〇.一ミリメートル、もしくはそれ以下まで正確であるとして販売されていることが多いですが、実際には何を意味するのでしょう。元来、精度は実在のオブジェクトを仮想的にどの程度実物に近づけて再現するか、又は、より具体的に言うと、成果品としてのモデルの寸法をどの程度実物に近づけるかを表したものです。スキャンデータにおける決断を行う際に、このようなミリメートル以下の精度は最優先項目となります。

これは最小限の誤差のみ許容する、リバースエンジニアリングや検査での用途に特に当てはまります。データの高精度は再製作によって機能するパーツのデジタル化、並びに品質検査のエンジニアの主な関心事であり、製品分析時に不確実性を最小限に抑えるためには必要不可欠です。

How to choose a 3D scanner

Artec Micro IIは、小規模のパーツの五ミクロン(〇.〇〇五ミリメートル)の精度でのデジタル化が可能です

ターゲットを基とする3Dスキャニングはテクスチャのキャプチャには利用されないことが多いものの、お求めの精度の取得には最適です。この点では構造化光は切り札となり、その双方のキャプチャが実現します。

在庫品のデジタル化の計画をお持ちか、医療分野でお勤めの方にとっても、精度は同様に重要となります。将来のための予備の計測が不正確であると、組立部に上手く挿入させることができません。スキャンを基とする個別製作の医療機器も患者の方が使用しなくなったりすることの無いよう、ぴったりと合わなければなりません。

キーポイント

プロフェッショナル向け3Dスキャナだけが、高レベルの精度を提供できるのです。低性能スキャナよりも高額ですが、投資の価値は間違いなくあります。

5. 解像度

次は、解像度を取り上げましょう。解像度は全般的な正確さに関連しますが、この二つを混同してはいけません。解像度はジオメトリのキャプチャよりは、キャプチャしたポイント間の距離を最小にし、最も細かい部類のサーフェスのディテールを取得することにより密接に関係しています。そのため、アニメーションや仮想現実、法医学、貴金属などの用途において、解像度は最優先事項となります。

高解像度のデータキャプチャは(特に性能のより低いPCを利用した場合)処理に更なる時間を費やす、より重いデータセットを生成します。3Dプリンターはより入り組んだディテールを持つモデルの作成には更なる時間を要し、ユーザーのニーズを満たすことが困難になってしまうものもあります。積層造形向けのオブジェクトの3Dスキャンの際には、絶対に考慮すべき点です。

最高の3Dスキャニング解像度をお求めであれば、 Artec Space Spiderのような構造化光を利用した機器をお試しになることをお勧めします。フォトグラメトリも高度なディテールをキャプチャ可能ですが、精度が犠牲になり、その計測用途も制限されます。

6. 速さ

How to choose a 3D scanner

如何なる規模のキャプチャ事業であっても、速度はおそらく最重要事項となります

現実的に考えて、時は金なりです。プロフェッショナルのユーザーほとんどすべての方にとって、このことは最重要事項が速さであることを示しています。普及している3Dスキャナの多くは、毎秒数百万のデータポイントをキャプチャできる構造化光を搭載しています。構造化光の速さは毎秒フレーム(FPS) でも表され、数値が大きいほど品質は向上します。

しかし、これはテクノロジーにも拠ります。ご参考のために、白色光3Dスキャナは毎秒二百万データポイントを毎秒最大十六フレームでキャプチャ可能です。 最高級のVCSEL搭載機器の方は、同じ時間間隔内でその二倍のキャプチャを毎秒八十フレームで実現します。

実施予定の3Dスキャニングの量が多い場合(もしくは大容量のデータキャプチャを行う場合) は、高速なデータキャプチャ能力を持つプロフェッショナル向けの機器であれば、最終的に時間と経費の節約、そして生産性の大幅な向上に繋がります。迅速なキャプチャは、人間のような可動性のオブジェクトのスキャン時に重要となります。

7. ソフトウェア

How to choose a 3D scanner

3DスキャニングソフトウェアのArtec Studioには、品質分析や検査用の機能が常に追加されています

3Dスキャナ間の性能ごとの比較にはすぐに目が行ってしまいがちですが、実際のところ、実権を握っているのはソフトウェアなのです。入力されたデータを迅速に扱い、できる限り最良の出来に処理するには、高度化されたアルゴリズムを有したプログラムが必要となります。

Artec Studioの解像度を大幅に向上させるHDモードを例に取りましょう。当モードを起動することにより、鋭い隅部やスキャンの難しい暗く、けば立った、もしくは光沢のあるサーフェスのデジタル化が非常に簡単になります。キャプチャ完了後は、付属のオートパイロットによって多くのマニュアルでの作業の自動化、効率化、加速化が実現します。品質分析や検査に従事されている方は、多くの必需品がプラットフォームに内蔵されていることにお気付きになると思います。

高度な幾何公差設計法(GD&T)のためには専用のパッケージソフトへの投資が必要となりますが、3Dスキャニングプログラムには毎年新たな機能が継続的に追加されています。機器は発売後も長きにわたり、効率を更に向上させ、利用例の新たな可能性を切り開くために継続的にアップグレードされています。

キーポイント

実権を握っているのは、ソフトウェアであることをお忘れなく。3Dデータキャプチャ・処理プログラムは、良い出来栄えを得るための主要な役割を担います。

8. 価格

Custom marine

プロフェッショナルの方々の多くは、3Dスキャニングは従来の手法に比べより高速で、エラー発生の可能性がより低いとお感じになっています

当然のことながら、3Dスキャナの値段は3Dスキャニングを導入予定の方の多くにとって障害となります。しかし、『アップグレードなしで済ませられないだろうか』とお考えである場合が、その逆よりも多いのです。機器の価格は数百ドルから十万ドルを超えるものもありますが、出費を正当だと思えるだけの見返りを得られる機種も多いのです。

ヨットの甲板材料開発企業であるTT Custom Marine社を例に取ると、Artec Leoによる3Dスキャニングにより、同社の担当班は以前より四倍の速さでボートを修復できるようになり、更なる業務への時間の確保(かつ同企業の増益)を実現しています。

フォトグラメトリのような従来の計測法やその他のデジタル化の手法と比較すると、3Dスキャニングはより高速でエラーの発生傾向も低く、リードタイムを節約し成果品質を保証する形で機能します。

古い言い方ですが、『支払った分相応の見返りを得る』ことにもなります。より安価な3Dスキャナは短期的に見て魅力的かもしれませんが、プロフェッショナル向け機器への投資の方が得策です。後者のような機器はこの先何年もより高い信頼性を提供し、優れた成果を挙げます。

考慮に値するその他の出費対象としては設置、付属品、及び保険が挙げられます。最後の点を『追加のもの』とみなすべきではありません。最も回避すべきことは、新たにご購入された3Dスキャナに生じる事故なのです。その保護のためにもう少し投資すれば、その出費は結果的に報われます。

キーポイント

ご自身の投資への見返りを最大限とするため、付属品や保険によってお持ちの機器の保護を行いましょう。

最後に、ご購入前に考慮いただきたい点

まとめとして、当社が第一に考える、ご購入の際のヒントは次の通りです。3Dモデルの比較の際に考慮すべき最初の点は、解像度です。多くの場合、これは最も明瞭な差別化要因となります。精度の確認も主な性能指標となりますが、更に詳細な比較が必要となる場合があります。

購入先の把握も、最も役立つヒントの一つです。投資が賢明であるかについて、オンラインレビューを頼りにできる場合もよくあります。サポートの面を調査することも大事です。質の高い3Dスキャナは十年、もしくはそれ以上長持ちします。その間に購入先が提供するサポートを検討することも重要です。例えば、ソフトウェアが最新であるかどうか、という点です。最新でなければ、お持ちの機器は時代に取り残されることになるのです。

ご投資の元が取れるかどうかについて、まだご心配されているのであれば、それはご利用される中で証明されていくことを覚えておいてください。そのため、機器の実演の際には実際にご自身でお試しになり、その使いやすさをお確かめください。さもないと、ご投資の見返りを受けるまでにかなりの訓練を経なければならなくなるかもしれません。

価格が一番低いことが、一番良いとは限らないことをお忘れなく。お求めの水準を満たさない3Dスキャナには、ご投資をされる価値はありません。他の機器を再購入することになるだけです。同様に、技術性能には注目せず、御自身に合った機器をお選びください。性能の比較にすぐに心を奪われてしまいがちですが、他の種類のテクノロジー機器のご購入の際は異なるはずで、単に仕事をこなせるものをお選びになるのではないでしょうか。

そのため、以上の基準をご活用になった上で御自身のまさに必要とする事項を満たす3Dスキャナをお選びになり、実演をご依頼されることをお勧めいたします。その上でこそ、情報に基づく選択、及び長持ちする高品質のソリューションへの投資を確実に行うために必要な情報すべてを得ていただくことが可能となるのです。

目次
著:
Paul Hanaphy

Paul Hanaphy

テクニカルリポーター

ラーニングセンターに

さらに詳細が記載されています

3Dスキャンの世界から始めるのは少しハードルが高いかもしれませんが、3Dプリントの背後にあるテクノロジーを理解するのに少し時間をかけるだけで、全てが明確になります。ご自身の目(スキャナの起源ですね!)から、現在市場に出ている最新の3Dスキャナまで、すべてがどのように機能するのかをここに記述いたします!

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