3Dボディスキャンの基礎から応用まで

2020年 9月 8日
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カスタムメイドの補綴物から、完璧にフィットした衣類や3Dプリントの置物、本物そっくりなゲームのアバターまで、3Dボディスキャナは人体に関する細かい貴重な情報を得るための重要なツールになりつつあります。こちらの記事では、さまざまな種類の3Dボディスキャナと、人体をキャプチャする上での主な課題についての説明をします。また、医療、スポーツ、衣料品やエンターテインメント業界での使用方法についても解説していきます。

タイプ
ハンドヘルド式, 固定式
アプリケーション
ヘルスケア、スポーツ&フィットネス、ファッション、VR、ビデオゲーム、映画、3Dフィギュア
価格帯(US$)
$500 – $40,000

前書き

3Dスキャンテクノロジーの出現により、多くの 産業に新しい扉が開かれ、それによって新しい可能性も生まれました。ヘルスケアやフィットネス、衣料品、3Dプリンターでのフィギュア造形、またエンターテイメントなどの分野で、現在ますます人気が高まっているスキャナと言えば、3Dボディスキャナです。

このタイプのスキャナは、3次元で人体をすばやく正確にキャプチャし、その形状、比率、そしてさまざまな測定に関するデータを従来の手動の方法よりも速く、そして簡単に取得できるよう特別に設計されています。1980年代後半に開発された3Dボディスキャンの技術は、元々はアパレル業界にあった、衣類のフィット感を向上させるニーズの高まりに対応するために導入されました。今日では、この技術は人体の進化に関する定量的で定性的な情報を得るための速く正確な方法として、スポーツからヘルスケアまで多くの分野で幅広く使用されています。

それでは、色々な種類の3Dボディスキャナがどのように機能し、どのような仕事ができるのかを詳しく見てみましょう。

3Dボディスキャナはどのように機能しますか?

3Dボディスキャナは、その名前が示すように、からだ全体または腕、脚、耳、頭などの個々のパーツのみをデジタルでキャプチャすることができるスキャナです。キャプチャの際には、体の何千ものスナップショットを撮り、それらすべてをつなぎあわせて点群にし、3Dモデルを構築します。

全身スキャナは、3Dブースまたはミラーとも呼ばれ、人を上からつま先まで全てキャプチャできます。また、ハンドヘルド3Dスキャナは、全身と個々の体の部分のどちらともキャプチャするのに適しています。体をキャプチャするハードウェアとは別に、すべての生データを分析して測定の詳細を抽出して3D処理ができるソフトウェアもあります。

他の3Dボディスキャナには、構造化光式や、レーザーライン三角測量、写真測量などに基づくものがあります。スマートフォンのカメラや、コンピュータービジョン、機械学習アルゴリズムを使用して、人の写真から本物そっくりな3Dアバターを作成する、モバイルアプリケーションもあります。

これらすべてを念頭に置いて、現在のすべての3Dボディスキャナはこちらの3つのカテゴリに分類できます。

A

3Dスキャンブースと家庭用ボディスキャナ

B

ハンドヘルド3Dボディスキャナ

C

モバイル版スキャンアプリ

A. 3Dスキャンブースと家庭用ボディスキャナ

3Dスキャンブースとは、あらゆる角度から体をキャプチャするための固定キャビンまたはキオスクです。ブースの周りには通常スキャナや、センサー、またはデジタル一眼レフカメラが備えてあり、この3つすべての組み合わせが備えてあることもあります。スキャンテクニシャンが必要な準備をすべて整え、システムセットアップをバックグラウンドで実行している間に人(複数でもOK)がブースの中央に立って特定のポーズをとります。

スキャンブースの例

ブースに設置されているハードウェアとソフトウェアによっては、プロセス全体に数秒しかかからない場合があります。その場合はスキャン対象者が動いたり、瞬きをせずに姿勢を保つのが楽になります。ブースでのスキャンセッションの結果は、3Dプリントショップで砂岩または他の印刷材料で印刷が可能な、フルカラーの3Dモデルです

3Dボディキャプチャシステムの他の例としては、3Dミラーや3Dフィッティングルーム、そして家庭用スキャンキットがあります。このようなデバイスは通常、3Dイメージングの技術を組み合わせて使用します。これらは、特別なプラットフォーム(これも測定器具です)に立っている人の周りを回転するミラーまたはスタンドになっているものかもしれません。もしくは、場合によってはプラットフォーム自体が回転して人を360度動かし、静止したスキャナが体の3Dスナップショットを撮るように設計されているものかもしれません。

このようなスキャナのアウトプットは、人のモデル(通常はテクスチャのないもの)ではなく、この特定の3Dスキャナが抽出できる3D測定値とパラメーターの一式です。通常、このようなシステムは運動中の身体の進行状況をチェックするためにスポーツやフィットネス用に使われたり、ダイエットプログラムに利用されたりします。また、個人の身体測定値をキャプチャして、カスタムフィットの衣服を作成するために衣料品ブランドに使われたりもします。

B. ハンドヘルドの3Dボディスキャナ

これらのタイプの3Dボディスキャナはかなり以前から市場に出回っており、全身専用に設計された3Dブースとは異なり、これらのスキャナは個々の身体の部分や手足を細かくキャプチャするためにも使用できます。そのようなデバイスは、はるかに柔軟で持ち運びやすく、スキャン対象物や対象者の周りに持って行くことができます。そして、そのスキャンの結果はスキャンブースから得られるものよりもはるかに正確です。

ハンドヘルドスキャナを使用して幼い患者の耳をスキャンする臨床専門家。​

スキャンの後アウトプットされた3Dモデルは、カラー付きであろうとテクスチャなしであろうと、通常は専門の3Dソフトウェアにエクスポートされます。たとえば、カスタムメイドの補綴物や、装具、またはジュエリーやメガネなどの作成のためです。

C. モバイル版スキャンアプリ

このようなアプリケーションは、スマートフォンのカメラや一部の最新のスマートフォンやタブレットで最近導入された3Dセンサーを活用します。また、数枚の写真から身体測定データを取得するためにAIアルゴリズムも利用します。それらは通常、高級なボディスキャナが使用できないエンドユーザーを対象としており、フィットネスの進行状況をチェックできるよう重要な指標を提供したり、サイズがピッタリの衣類のセレクションを提供してオンラインショッピングを簡単にしたりします。

3Dボディスキャナのアプリケーション

3Dボディスキャナは、3Dプリントされた体の模型の作成から身体測定データの収集まで、さまざまなアプリケーションで使用できます。医学、栄養学、ファッションなどの分野における技術的進歩により求められる新しい機会がこれにより生み出されます。それらが使用されている、今最も人気のあるアプリケーションと業界のいくつかを見てみましょう。

3Dプリントの置物と3D自撮り

3Dスキャナが実生活で使用される1つの用途は、自分自身の3Dプリントを求める人々の現実的なモデルを作成することです。家族写真を撮るために最寄りの写真館に行ったり、証明写真機やプリクラ機を使う時代はもう終わりました。今は、世界中のショッピングモールやショッピングセンターに設置された3Dブースで、自分や家族の3Dポートレートを取得したりすることできます。また、専門の3Dスキャン/プリント会社へ行き、3Dスキャンのセッションをしてもらうこともできます。

ある男性と彼の犬が3 Dプリントされた置物

3Dプリントの置物や、3Dの肖像画、または3Dの自撮りは、大事な人生の思い出を保存する新しい方法であると言われることがあります。自分の3Dスキャンを取得するのは、スマートフォンで写真を撮るのとほぼ同じくらい簡単で、とても速くできます。そしてそのわずか数日後にその3Dプリントの置物を手に入れたり、それを机に置いたり、友人や家族にそれをプレゼントしたりできるのです。その完璧で美しい例として、オランダのBellyprint社が妊娠後期のある妊婦さんをArtec Evaを使用して身体スキャンを行った後に作成した、妊婦の3Dプリントの置物があります。

フィットネス

もうひとつのアプリケーションは、フィットネスクラブや、スポーツジム、アスリート、パーソナルトレーナーとその利用者達が最近どんどん注目し始めたものです。それは、体の変化をチェックすることで、筋肉の増強や脂肪の減少など、特定のフィットネスや食事の目標を達成することです。

ボディスキャナでアスリートをスキャンします。

このような3Dスキャナは、体を3Dでキャプチャできるだけでなく、キャプチャしたデータを分析し、気になるウエストラインやヒップの周囲から体の形、姿勢、体重まで、あらゆる種類の測定値を出せます。さらに、時間の経過に伴った体の変化を見せてくれる、インタラクティブなリポストを提供し、ユーザーがフィットネスプランの進行状況を視覚的にチェックできるようにします。

そのようなデバイスは通常、体の色や質感はキャプチャせず、主に形状と時間の経過に焦点をあてています。

ファッション

アパレル業界は、3Dスキャナが登場するずっと前から人体を測定してきました。20世紀初期まで、衣服はほとんどが注文仕立てで、通常は専門の仕立て屋が測った顧客の測定値に従ってそれぞれ縫製されました。しかしその後戦争が起こり、現在未だに普及されている一律の既製サイズシステムが導入されました。これは衣料業界にとって大きな進歩でしたが、当時それは理想的ではありませんでしたし、今でも理想的ではありません。人々はさまざまな形やサイズの体を持っているので、誰もがみんな一律サイズの範囲どれかに収まるのは難しいのです。私たちのクローゼットは未だに大量消費の思想を反映していますが、3Dボディキャプチャ技術は徐々にそれを変えてきています。

仮想試着

衣料品ブランドは、3Dスキャナを使用して、さらに自分の体にぴったりの衣類が欲しいお客様のための フィッティングサービスを提供するようになりました。また、従来の手のかかる測定方法の代用として利用するようにもなりました。完全にフィットした衣服を作成するために、メジャーを巻いてお客様の周りを歩く代わりに、正確で簡潔な測定値をたった数秒で取得できるようになったのです。

一部のブランドは、店舗の試着室に3Dスキャナを組み込んでおり、試着室で衣服を脱いだり、外さずに、より速く衣服を試着したり、色を変えてみたり、アクセサリーを混ぜ合わせたりできるようになりました。他のブランドは、仮想試着室をウェブストアに組み込んで、顧客が自分の体に最も合う服を選択できるよう、また家から離れずに試着ができるようにしています。顧客は、ただ自分の3Dアバターと試着したいものをアップロードするだけで、それらがどのようにフィットするかをチェックできます。

現在では世界規模でこのようなことができるようになりました。一部の国では3Dスキャン技術を使用して全国的な人体測定調査を実施し、3Dボディスキャンのデータを収集して、サイズシステムを改善しています。また、一部のブランドはすでにこのデータを使用して、サイズシステムを改善しています。

ヘルスケア

3Dボディスキャナが、人の体のサイズ、形状、姿勢、皮膚の表面積を正確に測定して視覚化する機能を変革しているもう1つの分野は、ヘルスケアです。医療従事者は、プロの仕立て屋と同様に、伝統的に体のサイズと形状を手で測定し、そのデータを使用することにより健康状態を評価して、それに対応する治療を提供してきました。

患者の体を3Dスキャンする

3Dボディスキャン技術の出現により、医師や臨床医はたった数秒で完全に自動的に、患者の身体の何百という数の正確な測定値を取得できるようになりました。次に、この外部データを使用して(すべてそれ単独での場合もありますし、X線、MRI、超音波、CTスキャンなどのより侵襲的な検査からのデータと組み合わせる場合もあります)、次のことが実行できます:

  • カスタムメイドの義足と装具を作成する
  • しわ、色素沈着やメラノーマ(ホクロの癌)の皮膚の状態を評価して、癌の早期発見や、肺機能や火傷の治療に使用する
  • 妊娠中の患者の体の大きさや形の変化、または妊娠反応を監視および分析し、特別な治療(肥満、ホルモン系)、食事療法プログラムや運動のプランを立てる
  • 薬物や放射線療法、化学療法の線量を計算する
  • 美容整形の結果などを事前にシミュレーションして視覚化させる

エンターテイメント (ゲーム、映画、特殊効果)

3Dスキャナでキャプチャされた現実的な全身モデルは、多くの最新ゲームやPCゲーム、アクションムービー、VRやARアプリケーションでも広く使用されています。映画スタジオは、俳優の体をキャプチャして、視覚効果を入れたり、3Dアニメーションで使用するためのいわゆる「デジタルダブル」を作成するために3Dボディスキャナを使用しています。ビデオゲームの開発者達もまた、同じ理由で有名な役者達をスキャンします。ゼロから3Dキャラクターを全て作成する代わりに、特定の役者をスキャンして、これから作っていくキャラクターの基盤を作成します。

映画「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」のアーノルドシュワルツェネッガーをスキャンします

一部のビデオゲーム開発者は、さらに進んで、プレイヤーの自撮り写真を元にパーソナライズされた3Dアバターを作成し、事前に設計されたキャラクターを使用する代わりに自分自身でゲームがプレイできるようにします。多くのVRおよびARアプリケーションでは、ユーザーがパーソナライズされた3Dアバターをアップロードして、ビデオ会議中やゲーム中に使用することもできます。

課題

3Dの置物を扱う印刷ビジネスを始めるつもりでも、病院、整形外科クリニック、衣料品店、フィットネスクラブ、撮影、ゲームスタジオで3Dスキャナが必要な場合でも、人物をスキャンする時には注意すべき点がいくつかあります。

1. ハンドヘルド3Dスキャナでスキャン中の顔と体の動き

前述のように、ハンドヘルドスキャナで人をキャプチャする場合は、3Dボディブースで行うよりも少し時間がかかります。そのため、スキャナを使用してスキャン対象者の周りを歩いているときに、対象者が無意識に少し動いてしまったり、瞬きしたりしてしまうことがあります。それを避けるために、スキャン対象者の立ち位置をきちんと準備しておきましょう。人体のスキャンには最大4-5分かかります(ユーザーが3Dボディスキャンを始めたばかりでまだ慣れていない場合はもっとかかります)。ですから、スキャン対象者の姿勢は心地良いように、しかししっかりと固定した状態で動かずに済むようにして下さい。キャプチャのセッション中にスキャン対象者が誤って動いてしまったのにもかかわらず、再度スキャンの実行が不可能な場合、Artec Studioなどの一部のソフトウェアソリューションでは、スキャンを簡単に修正することができます。

また、使用しているスキャナがそのスキャンプロジェクトの要件を満たせる十分な仕様を持ち、かつ適切な速さでスキャンを実行できるということを時前にまず確認することも大切です。Artecハンドヘルドスキャナは広いキャプチャの領域を備えており、それに加えて非常に高いFPS(フレーム/秒)を提供するので、視野が狭く、スキャン速度も遅いデバイスよりもはるかに速く身体をスキャンできます。

もう1つの課題は、顔のスキャンです。その理由は、スキャンの対象者は瞬きをしたり、あくびをしたり、少しだけ顔の表情を変えてしまったりする傾向があるからです。そのため、EvaやLeoのようなArtec 3Dの3Dスキャナをご使用の場合は、まず顔をスキャンしてから他の体の部分をスキャンするか、さもなくば体全体とは別に頭部全体をキャプチャすることをお勧めします。顔のスキャンは超高速で済むので、通常、キャプチャされるのにわずか5〜7秒しかかかりません。これは、スキャン対象者が瞬きをせずに我慢するには十分な時間です。瞬きを避けるもう1つのヒントは、目の前の1点(フラッシュライトを直接見ないように目の高さより少し上)を選んで、スキャン対象者の顔をスキャンしているときに、対象者にそれを見つめてもらうことです。

また、スキャン対象者の身長がスキャンテクニシャンと背丈が大体同じ場合は、顔と頭を別々にスキャンする場合に便利になります。この場合、頭のてっぺんをキャプチャすることはほとんど不可能になるので、スキャン対象者が座っている間にそれを行うことをお勧めします。

44番目 の米国大統領バラク・オバマ氏がArtec Evaで3Dスキャンされ、史上初の3D大統領の肖像画が作成されました。​

スキャン対象者がほんの少しだけ動いてしまったり、つい瞬きをしてしまうことは避けられませんが、Artec EvaやArtec Leoなどの全身を非常に速くキャプチャできるプロ用のハンドヘルド3Dソリューションを使用すると、スキャン時間を大幅に短縮できます。

2. 指、耳、脇の下、髪の毛など、薄くてキャプチャしにくい身体部分のスキャン

ほとんどの3Dスキャナや身体用に特別に設計されたスキャナに共通する、もう1つの課題は、薄くてスキャナが全部に部分である指、脇の下、足、髪、耳などをキャプチャすることです。ここで、Artecの社員達が弊社の3Dデバイスを使用して、数千人をスキャンした後に学んだいくつかの便利なヒントを以下にご紹介します。

僧侶並みの忍耐力や、ヨガの先生並みの意志がないと、手を数分間も1か所に留めておくのが難しい場合もあります。したがってスキャン中の手の動きを避けるためには、スキャン対象者に、手のスキャンをしやすいよう、手の位置を体から近づけてもらったり、遠ざけてもらったりしてもらうことをお勧めします。たとえば、ウエストあたりに手を置いてもらったり、腕を体の前で交差させてもらったりすると効果的です。また、指と手全体を特に細かくキャプチャしなければならないプロジェクトの場合は、まずそれらをスキャンしてから、残りの体をキャプチャして、ベストな結果が得られるようにすることをお勧めします。上半身の測定データを取得したり、アニメーションに3Dモデルを使用したりする場合は、スキャン対象者にTポーズやAポーズをしてもらう必要があります。

腕を腰に当てているときは、肘の内側と脇の下をスキャンする際に十分に注意し、十分に時間をかけてください。EvaやLeoなどのArtecスキャナの場合は、できるだけ多くのデータを取得するために、デバイスを前から後ろまで、とにかく極端な角度でスキャンしてみることをお勧めします。これらの領域を十分にスキャンしないと、質感が悪く、暗くなる可能性があります。

脚は動いてしまう可能性が低いため、基本的にはスキャンが簡単と言えます。それでも、覚えておくべきことがいくつかあります。スキャン対象者がテクスチャのあるフロアに立っていることを確認してください。例えば、色のあるカーペットや、トラッキングを固定化させるためのラグなどです。スキャン対象者に、スキャナの撮影範囲内に両脚を維持してもらうと、目に見える表面の量が増加します。

サッカー選手は脚をカラー3Dでスキャンします。

スムーズにスキャンするために、スキャナのユーザーは位置を変える時にいつもデバイスをテクスチャのある床またはスキャン対象者の脚に向けることをお勧めします。

また、両脚の内側もスキャンすることを忘れないでください。スキャンを簡単にするためには、スキャンを開始する前に、スキャン対象者に片足を少し前に出すようにしてもらって下さい。このようにしてもらうと、脚の間の領域が融合してしまう可能性が低くなります。これは、人体をスキャンするときによく起こる問題です。

髪の毛も、ボディスキャナでキャプチャするにあたって難しい「サーフェス」であり、乱雑になってしまったり、均一にならない可能性があります。

ストレートヘアは大体スキャンが簡単で、Artec 3Dスキャナで特に何もそのために特別な準備をしなくても、そのままスキャンができます。一方で、巻き髪や、より太い髪、レイヤーがかかっていたり、先端のとがっている髪型はスキャンが難しくなってしまい、キャプチャするためのいくつかの処理が必要になる場合があります。

頭髪のスキャンをする際には、覚えておくべき簡単なルールがいくつかあります。Artecでは、スキャンセッションの前に、まず髪の毛をブラッシングして平らな状態にすることをお勧めします。こうすることにより、スキャナのパターンをより正確に髪の毛の表面に照射ができるので、より優れたスキャンができます。髪の形状がスキャンしにくい場合は、ブラシでとかすか、水で湿らせて髪を少し平らにすることも効果的です。

Artecスキャナは、暗い髪と明るい髪の両方を同じくらいうまくキャプチャすることができます。また、安定したトラッキングのために、髪をキャプチャするときは常にスキャン対象者にスキャナの撮影範囲に肩を置いてもらうことをお勧めします。

長い髪の人をスキャンする前には、髪の毛を後ろに束ねて1か所に置いてもらうと、散乱が抑えられます。どの角度からでもスキャンすることがより困難になってしまう、難しいヘアスタイルもあります。そんな場合には、ヘアスタイルをきちんと再現するために必要な量のサーフェスをキャプチャできるよう、スキャナを長時間持って撮影してみることをお勧めします。

複雑なヘアスタイルをキャプチャする場合には、スキャナの感度を上げて、髪の表面をより簡単に検出してキャプチャできるようにすることもお勧めします。Artec Studio 12より導入された「スマート感度」機能 のおかげで、髪の毛のキャプチャがさらに簡単になりました。

3. ヘアアクセサリー、ジュエリー、眼鏡、革の衣類などの光沢のある表面や黒い表面、または透明な表面のスキャン

光沢のある表面や黒い表面、または透明な表面は、ほとんどすべてのスキャナのキャプチャを最も難しくすると言われています。光沢のある表面は、スキャナの光のパターンを反映してしまう傾向がありますが、黒色の表面はスキャナの光を吸収してしまうためキャプチャが難しく、デバイスがオブジェクトのパターンを区別できなくなります。透明なオブジェクトにも同じことが言えます。スキャナからの光は何も反射せずにオブジェクトをただ通過するだけだからです。とはいえ、これらはArtecスキャナの致命的な問題というわけではございません。Artecのスキャナはこのようなサーフェスのキャプチャをするにあたっては、他社のボディスキャナより優れているからです。

それでも、より安定し、均等な結果を得るために、スキャンセッション中は、革、毛皮、スパンコールなどの半透明なもの、黒色のもの、または光沢のある素材はお勧めしません。また、メガネや宝石などのアイテムの着用もお勧めしません(スキャンする前にそれらをスキャン対象者に提供することもお勧めしません )。もしそのようなアイテムを外すことができない場合は、マットスプレーやタルク原料のベビーパウダーを使用して、光沢のある領域を覆ってみてください。Artecスキャナを使用すると、Artec Studioソフトウェアのスキャン設定を有効化することもできます。これは、特定のスキャン技術(90度未満のスキャンなど)と組み合わせて、スキャンが難しいサーフェスをキャプチャするのに役立ちます。

Artec Evaでスキャンをしている場合は、スキャンが完了したら、姿勢を数秒間変えないようにスキャン対象者にお願いし、穴や欠けている領域がないか、まずスキャンの結果を先に確認することをお勧めします。体の広い領域が欠けてしまった場合は、後で同じ姿勢を再現するようにスキャン対象者にお願いするのではなく、すぐにスキャンしなおす方が断然良いでしょう。姿勢の再現は全く同じになることはなく難しいので、処理時間が長くなってしまうだけです。また、Artec Leoを使用してスキャンをしている場合は、タッチスクリーンパネルでスキャンをしながら、全てのデータをリアルタイムで確認できるので、上記のような場合が起きてしまう心配はご無用です。

人体をスキャンする方法の詳細については、ビデオチュートリアルをここから確認してください。

Artec 3Dによる最高のボディスキャナ

3Dプリントや、身体測定値の抽出、または視覚効果のために人体をスキャンする場合、Artec 3Dにはいくつかの3Dスキャナとスキャンシステムがあり、以下から選択できます:

Eva

Artec Evaはハンドヘルド構造化光式3Dスキャナであり、中型の工業用オブジェクトや、家具、彫像、モニュメントから、人体や体の部分までさまざまな オブジェクト, をキャプチャできると定評をいただいております。そのスキャン能力と安全に使用できる構造化光テクノロジーのおかげで、Evaは人体全体だけでなく、個々の体の部分だけを高精度で、しかも高密度の解像度でキャプチャができます。

Artec Evaで人をスキャンする

デバイスのアプリケーションは広範囲に及び、 カスタム装具 や、 補綴 車椅子用クッション形成外科, または3Dプリントの置物などの作成を含みます。Evaは、フルボディカラーのスキャンと印刷に使用できます。また、なんと バラック・オバマ氏をモデルに、米国大統領の初めての3Dポートレートの作成にEvaが使用されたこともあります。

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Eva Lite

Eva Liteは、Evaの姉妹品で、ライトバージョンです。このスキャナはEvaと同じ精度仕様を備えていますが、スキャンの時にテクスチャデータをキャプチャしません。そのため、収集するデータが大幅に少なくなり、その結果として消費電力が少なくなるので、よりお手頃な価格のPCと組み合わせてお使いになれます。これにより、Eva Lightはお手頃な価格でヘルスケア、スポーツ、フィットネスなどのテクスチャが必要ないボディスキャンアプリケーションに最適なソリューションになります。

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Leo

Artec Leoは、Artec 3Dファミリーで最初の完全に持ち運びができるハンドヘルドの3Dスキャナで、自動オンボード処理が搭載されています。広大な領域と細部の両方をキャプチャでき、小さな機械部品から人体、車両、またはなんと犯罪現場全体まで、さまざまなオブジェクトのスキャンに使用できる、強力で用途の広いソリューションとして推奨されています。

Artec Leo​

他のハンドヘルドスキャナとは異なり、Leoにはタッチスクリーンディスプレイ、内蔵バッテリー、強力なプロセッサー、オンボードWi-Fiが付属しています。スマートフォンで動画を撮るのと同じくらい簡単で、しかも完璧な3Dボディスキャンが可能になります。いつでも画面上でスキャンの結果をプレビューすることができるので、どの領域がキャプチャが必要か確認したり、スキャン対象者から近づいたり遠ざけたりすればいいか確認したりできます。すべてが搭載されているため、スキャンテクニシャンは結果をプレビューするためにコンピューターに接続する必要がなく、スキャンをより高速で快適にします。

Leoは、有名なマルチプレイヤー向けの FPSミリタリーゲーム用に、非常にリアルなハイポリ3Dモデルの作成において使用されています。また、サイクリスト用に完全にフィットするカスタムメイドの空力スキンスーツ に使用されたり、カスタムメイドの補綴物の作成などにも利用されています。

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Shapify Booth

もし、研究プロジェクトや大規模イベントの際に、1日500人以上の人間のスキャンが必要な場合は、Shapify Boothをご覧ください。

Shapify Booth​

Shapify Boothとは一体何でしょう?これは、4台のワイドビュー高解像度3Dスキャナと、照明システム、さらに自動処理ソフトウェアを装備した自動3Dフルボディスキャナのボックス(ブース)です。スキャナは2つの側壁に取り付けられており、ブースの中央に立っている1人(または数人)の周りを1周し、あらゆる角度からキャプチャができます。そのプロセス全体には約12秒かかり、スキャンをプレビューすると(スキャン対象者が瞬きをしたり動いてしまったせいで再スキャンが必要かどうか確認するため)さらに5分かかります。その後、データはクラウドに送信されて最終的な処理には通常10〜15分ほどかかります。最終的なモデルはフルカラーで水密であり、3Dプリントする準備ができています。また、最終モデルは身体測定値を収集するために使用されたり、モデリングや修正のために3Dソフトウェアにアップロードされたりします。

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というわけで、以上が全てです:ボディスキャンの基礎から応用まででした!

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