3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

Artec LeoとSpider IIにより更なる没入的学習体験を

課題:生徒の興味を引き出し、従来の学習素材では集中できないことの多い神経多様性を持つ[訳者注:発達障害や学習障害、自閉スペクトラム症、ADHD(多動性障害)、ディスレクシアなど]人々に対し受講の門戸を更に開放し、より多くの方々を受け入れることのできる新たな方法を見出すこと。

ソリューション:Artec Spider II、Artec Leo、Artec Studio、及びThinglink

結果:驚くほど高度に詳細な形でキャプチャされ、生徒が仮想的に回転、拡大、研究することが可能な、仮想現実プラットフォームですぐに利用できる地質学の3Dモデルの初回製作分の一式。地質学は単なる始まりに過ぎず、更に多くの教育用素材が現在、製作過程にある。

なぜ、Artec 3Dなのか:Artec社製ハンドヘルド型3Dスキャナは、極めて使いやすい。全く3Dスキャニングの使用経験がなかったにも関わらず、学術研究者は素早く当テクノロジーの使用方法を把握することができているようで、近い将来、バークベック校の学生をデジタル化に参加させる予定もある。

Birkbeck, University of London

地質学サンプルに3Dスキャニングを施すArtec Spider II。画像は、ロンドン大学バークベック校のご厚意で掲載

従来の講義、及び情報伝達方法は生徒の興味を呼び起こさせる点、並びに更に深層に迫る学習へ生徒を誘う点において効果的ではない場合がある。これは教室で教えることが一般的に困難な特定の分野において、及び異なった形で情報処理を行う神経多様性を持つ人々を扱う場合、特に課題となる。

例えば、地質学や考古学などの自然科学は、地球や種の歴史、その経年進化、そしてもちろん、その未来についての素晴らしい知識をもたらす。しかし、このような教科元々実践的なもので、生徒は実例を調べることで学ぶため、講義室の範囲内で生徒の興味を常に惹き付けることは容易ではない。

ロンドン大学バークベック校は最近、VRヘッドセットを十分に備えたことで、また、デジタルスタジオ、並びにPC 製作研究室の援助によって今までとは異なる形で生徒が学ぶことのできる新たなImmersive Learning Centreを開設した。

Birkbeck, University of London

研究スタッフにArtec Leoを最大限に活用する方法を紹介する、Artec社アンバサダーCentral Scanning社。画像は、ロンドン大学バークベック校のご厚意で掲載

華々しい開設の前段階での大きな懸念事項は、実在するオブジェクトを仮想世界にどう持ち込むかであった。後に、その答えは一体型でワイヤレスのArtec Leo、及び超高解像度のArtec Spider IIというテクノロジーの併用である、と判明した。両機器は二人三脚で、学習用素材のデジタル化に他に類を見ない自由と精度をもたらした。

未来のテクノロジーで過去をデジタル化

高度なテクノロジーで一杯のバークベックのImmersive Learning Centreは最先端研究に貢献し、更なる協調的な学習体験を実現するよう設立されている。世界が次第にAR(拡張)並びにVR(仮想現実)を導入している中、この新施設によって生徒は機材を借りて実際に使用することで、貴重な産業関連の体験を得ることも可能である。

同施設の開館に先駆け、研究員は3D画像やデータをキャプチャするために前述のテクノロジー機器を使用し始め、まず、大学創立者の(二百年前の肖像写真からマッピングされた顔の特徴を基にした)ジョージ・バークベックのまさしく本物のようなアバターを完成させた。

しかし、その注目の先は即座に教育素材へと移った。自然科学学部(School of Natural Sciences)所属の地球・惑星科学(Earth and Planetary Sciences)学科は、興味をそそるVRコンテンツを開発する当機会に最初に名乗りを上げた。

Birkbeck, University of London

大学創立者のジョージ・バークベックのアバター。画像は、ロンドン大学バークベック校、ルカ・バティストン(Luca Battiston)氏のご厚意で掲載

Artec社アンバサダーのCentral Scanning社は研究スタッフにArtec Leoを最大限に活用する方法を紹介し、データをキャプチャして処理する為に必要な専門知識をすべて伝授した。ワイヤレスで全自動のLeoは特に、付属ディスプレイが即時のスキャンのプレビューを提供し、直観的なトラッキングによってもほぼ瞬時に使用可能な成果を挙げることができるが、その導入も簡単であることを自ら証明した。

「我々の施設の外には、化石化した波紋のある舗装板がある」と説明するのは、バークベック校の地質学講師スティーブ・ハイロンス(Steve Hirons)である。「それをLeoでスキャンしたが、とてもシンプルで単純明快だった。3Dスキャナを扱ったのはおそらく初めてだったが、その結果として完成したものには本当に驚いた」

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化石化した波紋のある舗装板のキャプチャに利用されるArtec Leo。画像は、ロンドン大学バークベック校のご厚意で掲載

「完成したのはこの3Dモデルだが、化石化した波紋を見てみると、実際、水流の相対方向さえも見出すことができる。これを生徒に見せると非常に驚いた様子だったが、あれが自分の初めての試みに過ぎなかったのに」

地質学の学習素材の作成

3Dスキャニングの取り扱い方が分かった上で、ハイロンスは自身のVR教育素材を使用した最初のクラスの計画を練り始めた。毎年、二年目の生徒を興味深い岩石層のあるスコットランドの北西部の採石場や山岳地帯のような場所へ連れて行っているが、このような遠隔地は、神経多様性を持つ学生や定時制の生徒が訪れるには難しい場合がある。

このような発見物を教室へ持ち込むため、Spider IIの超高解像度スキャニング性能は細かい地質学的なディテールの取得に関しては非常に大きな利点であることから、ハイロンスはドローンを使っての3Dスキャンデータのキャプチャを試みている。すべての必要なデータがキャプチャできれば、 それを基にArtec Studioで3Dモデルを作成し、VRでの没入的体験を創り出すために特化されているソフトウェアであるThinglinkへエクスポートするつもりである。

「岩場に行き、石の塊を拾い上げ、手のひらの中で見つめ、更に自分に近づけて調べることを想像してみて欲しい。その後には、石を非常に薄く切り取ってスライドに糊付けし、顕微鏡で含有されている鉱質を調べることができる」と、ハイロンスは付け加える。「岩壁に行き、LeoとSpider IIを使って標本をスキャンした。これから、拡大したり、あらゆる調査をしたり、仮想的に『顕微鏡をのぞき込んで標本を見て』みたりできるよう、3Dモデルを作る予定である」

「このことで、フィールドワークもより多くの人に開放され、より幅広い受け入れ体勢となる。学生は忘れがちになる事項に立ち戻り、復習することができる。神経多様性を持つ人々にとって、専門用語を思い出すことは特に難しいものとなる。できれば、これで多くの問題に対処できるようになれば、と考えている」

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ロンドン大学バークベック校のスタッフ、及び生徒と一緒のCentral Scanning社のアレックス・チャン(Alex Chung)。画像はCentral Scanning社のご厚意で掲載

ハイロンスは自身の初期のスキャニングにより、三葉虫や古代のウニの化石の3Dモデルの作成も実現しているが、これらは仮想世界での研究に利用できる。将来的には、Artec社製3Dスキャニングは 石の標本のキャプチャのみならず、複数の分野に亘る用途における学習素材や資料の作成においても、学術的なデジタル化において『本当の意味で潜在性を持っている』とハイロンスは語る。

『手綱』を生徒へ受け継がせる

ハイロンスが自身の地質学用モデルに仕上げを施す中で、考えは生徒たちが更に深く当プロジェクトに関与できるようにするにはどうすれば良いか、へと及ぶ。デジタル技能は今では雇用において主要な役割を担っており、講座への需要が近い将来に伸びることが望まれるため、3Dスキャニングを生徒の手に渡らせる計画は既に整備されている。

教育の面では、Immersive Learning Centreの所長であるトビー・バトラー博士(Dr. Toby Butler)は、当テクノロジーはバークベック校の生徒の興味を引き出すために必須の、かつ日常的なツールとなると考えている。今年度に受け入れられた学生は最初にVR統合の恩恵に授かることになり、研究スタッフや生徒がデジタル化過程を修得していく中で、博士は教室での利用における、より多くの用途を見出すつもりである。

「VR教室には二十のヘッドセットがあり、クラス全体が異なる形で学習体験を行うことができるので、とても楽しみにしている。多くの科目分野にわたるオブジェクトを取り入れていきたい」と、バトラー博士は締めくくる。「これが、教育を考える際に皆が利用しようと考える、他の普及しているツールであるPowerPointのようなものになっていくよう、強く望んでいる。もちろん、製作には創造的な面がつきものだが、具体的に言うと、そこにこそ、我々は可能性を見出している」

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