3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

Artec Microで完璧に正確なジュエリーの3Dモデルを従来の半分の時間で作成

課題:複雑で光沢のあるジュエリーを正確にデジタル化すること。手作業でモデル化するには時間がかかり、従来の3Dスキャンの手法でキャプチャするのが困難なタイプのオブジェクトを取り扱うこと。

ソリューション:Artec Micro、Artec Studio、Rhino 3D、Blender、Materialise Magics

結果:設計の反復および製造に向けて迅速で再現可能なワークフローを確立し、ゼロから設計する場合よりも2倍の速さで高精細なジュエリーの3Dモデルを生成できるようにしました。

Artec 3Dを選ぶ理由: Artec Microは、完璧に正確で高解像度の結果を提供するため、カスタマイズや検査、そして複製用にオブジェクトをデジタル化するにあたって理想的な手段です。

Cooksongold Jewelry

Artec Microの3Dスキャナによってデジタル化されたジュエリー

3Dスキャンと聞くと、ジュエリーは最初に思い浮かぶ用途ではないかもしれませんが、このテクノロジーは実は設計や検査、プロトタイピングなどで広く使用されています。

初期の生産段階では、3Dスキャンがさまざまな用途に使用されます。既存のジュエリーをデジタル化することで、宝石の配置やフィッティングの確認が容易になり、精度検証の向上、反復の高速化、そして低コストの鋳造方法であるワックスの3Dプリントが可能になります。

リングやネックレスのようなものをデジタル化すれば、彫刻などのカスタム仕様のアレンジを加えることもできます。同様に、家宝をデジタル化することで子孫のために保存したり、損傷している場合に元の輝きを取り戻すことが可能になります。

しかし、ジュエリーは反射性を持つ貴金属や透明で光を散乱させる宝石で作られることが多々あります。高解像度のデータキャプチャがなければ、細かいマーキングを検出することも困難です。

ここでCooksongoldの出番です。バーミンガムの製造クラスターで職人たちを20年間支援してきた実績を持ち、イギリスを拠点するArtecアンバサダーのCentral ScanningからArtec Microを取得したこのジュエリー専門会社は、オーダーメイドのデジタル化サービスを立ち上げ、クライアントの要望に応じて高品質な3Dモデルを作成するサービスを提供しています。

Artec Microでジュエリーのスキャンを開始

Cooksongoldは109か国に顧客を持つ、英国を代表する宝石業界向けの貴金属や部品、そしてツールのサプライヤーです。100年以上前にバーミンガムで設立されたこの企業は、カスタムジュエリーを作成し販売する上で必要なすべての部品、機器、そしてサービスを提供する総合店舗としての地位を確立してきました。

Cooksongoldの3Dスキャンの取り組みは、クライアントからトロフィー スタンドのデジタル化を依頼されたことがきっかけで始まりました。そして、このことがこのチームをCentral Scanning社に導くことになりました。当時、彼らは既にプロ仕様の3Dスキャナを使用してオブジェクトを細部に至るまでデジタル化する術を備えていました。Cooksongoldは、自社のワークフローを加速し強化してくれるテクノロジーの可能性を認識し、デジタル化を採用することを選択したのでした。

Cooksongold Jewelry

高解像度のArtec Microはメダルの彫刻のような非常に細かいディテールもキャプチャします

Artec Microの採用は同社にとって大きな転機となり、ジュエリー全体をわずか1~2時間で丁寧にデジタル化できるようになりました。これは、CADモデルを作成する場合の半分の時間です。Cooksongoldの新製品開発エンジニアであるOlivia Champion(オリビア・チャンピオン)氏によると、3Dスキャンは複雑なデザインを高速でリバースエンジニアリングするのも容易にするそうです。

「基本的な作りのリングや非常にシンプルな部品であれば、通常は1時間ほどかかります」とチャンピオン氏は説明します。「それは、異なる位置でいくつかのバージョンをスキャンし、そのデータをArtec Studioでつなぎ合わせるだけの作業です。次に、そのデータを作業ファイル(このバージョンに戻る必要がある場合に備えて)とSTL形式でエクスポートします。修正が完了したら、そのSTLをそのまま顧客に送信します」

「細部までこだわった手作りの指輪をCADでモデリングするには、3~4時間かかります。それでも、原物と瓜二つにはなりません。今ではデジタルで修正をはるかに高速で行うことができます」

Cooksongoldによるオンデマンドで行うデジタル化

Cooksongoldが使用する3Dスキャン主導のワークフローは、従来非常に複雑なプロセスを、顧客が数回クリックすれば済むように効率化します。ユーザーはオンラインフォームに記入し、提案するプロジェクトの詳細を記入するだけです。その後、Cooksongoldは見積りを提示し、商品を郵送するよう依頼し、編集可能なSTLファイルの形式でクライアントに3Dコピーを提供します。

Cooksongold Jewelry

Cooksongoldの3Dスキャンサービスのワークフローの例

社内での同社の3Dスキャンプロセスは、最初にアイテムをMicroのスキャンプレートに固定することから始まります。そこからは、Artec Studioで自動モードを稼働させ、デバイスのプッシュ・トゥ・スキャンのワークフローを有効化するためのスタートボタンを押すだけです。この強力なソフトウェアには編集に必要なすべての機能が備わっていますが、Cooksongoldはデザイン変更のために他のプラットフォームにエクスポートします。

このプロジェクトが複製を伴う場合、チームはMaterialise Magicsを使用することがありますが、BlenderやRhino 3Dのようなデザインプログラムを用いて修正を行うのが一般的です。

「当社は現在CADサービスを提供していませんが、将来的にはそれを検討しており、ファイルの修正も可能です」とチャンピオン氏は言います。「以前、刻印入りの指輪で裏側がへこんでいるタイプのものが持ち込まれた際、そのへこみを無くして平らにして欲しいというお客様の依頼をいただいたことがありました。また、私はブローチも手がけたことがあり、その持ち主のクライアントは金具をすべて取り外すことを希望していました。このように、私たちは必要に応じてリングのサイズを変更したり、特定の箇所を取り除いたりするなど、微調整を行うことができるのです」

Cooksongoldの結果がそれを物語っています。指輪やネックレス、そしてブレスレットなど、あらゆるものを同社は顧客向けに見事な高解像度でデジタル化してきました。同社は現在、社内で行える3Dスキャン機能を活用して、貴重な玩具や遺物をはじめ、試作品や工業部品までのあらゆるものをデジタル化するソリューションとしてオンデマンド サービスを提供しています。

Microを主導とした検査の可能性

今後は、Cooksongoldの産業オペレーションに3Dスキャンを統合する機会もあるかもしれません。プロトタイプの制作や視覚化のためのモックアップなどにおいて、この技術は航空宇宙や自動車などの分野で潜在性を秘めていると考えられています。

Cooksongold Jewelry

CooksongoldのチームによってArtec Microで3Dスキャンされたガスケット

検査という用途にスキャンを使用することに関しては、チャンピオン氏は「是非これから行いたい」と考えているものの、チームが所有しているのはMicro Iであり、Micro IIではありません。5ミクロンの精度と 2ミクロンの再現性を備えた最新の Artecのこのデスクトップ型システムは、測定における信頼性が極めて重要なリピート分析に最適です。

「私たちは主にリバースエンジニアリングに重点を置いているんです」とチャンピオン氏は言います。「Micro IIがあれば、 高度な検査も行うことができます。ですが、Micro I を使用してキャプチャされたメッシュを Artec Studioの3Dモデルと比較することならMicro IIがなくても可能です。今までこの機能はまだ使用していませんが、スキャン結果を元の設計ファイルと照合するために産業の行程でこれから必ず使用する予定です」

3Dスキャン技術が進歩し、より詳細で信頼性の高いデータセットがユーザーに提供されるようになった今、Cooksongoldのようなビジネスモデルが次に向かうのはどこかを発見することは、非常に興味深いことです。

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