3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

イタリアの都市トラーパニで崇拝されている聖母の彫刻がArtec Space Spiderの支援を得てデジタル化

課題:イタリアの3D技術会社が、大理石でできた小像、トラーパニの聖母Our lady of Trapani)を3Dで複製して欲しいという依頼をとある大理石職人から受けました。  15cmほどで小さく、精巧なディテールが満載のこのフィギュアをデジタル化するには、信頼性の高い3Dスキャンソリューションが必要でした。

ソリューション:Artec Space Spider、Artec Studio

結果:トラーパニのマドンナ(Madonna di Trapani)の縮小版であるトラーパ二の聖母像の、高精度で忠実なレプリカを作成し、多目的に使用できる形態にしました。

Artecを選ぶ理由Artec 3Dスキャナは、文化的工芸品の3Dデジタル化にあたって長い間時代に先駆けた役割を果たしてきており、世界中のアーティストや研究者などの多くがそれらに簡単にアクセスできるようにしてきました。

Madonna di Trapani

高精度3Dで登場したトラーパニのマドンナ像は、もともとニーノ・ピサーノ(Nino Pisani)氏によって作成されました。画像提供:Lacro Tech社

シチリアの傑作がデジタル化

美術の歴史を通じて、彫刻家達はさまざまな素材を試してきましたが、とりわけ大理石は芸術の創作者や愛好家達にとって特別な素材です。シチリア島の魅力的な都市、トラーパニを訪れたことがあるなら、その説得力のあるたったひとつの理由を目にすることができたはずです。トラーパニの聖母礼拝堂としても知られるサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会を散策し、その名を冠した大理石の像を鑑賞してみてください。

Madonna di Trapani

この小像には、じっくり見る価値のある詳細がたくさん施されています。画像提供:Lacro Tech社

高さ約1.65 メートルのこの像は、美術愛好家やカトリック教会の信者達にとって象徴的な存在です。トスカーナの彫刻家ニーノ・ピサーノ氏の作品であるトラーパニのマドンナ像は、シチリア島で最も重要な彫刻の 1 つと言われており、長年にわたり芸術家や職人達にその美しさを様々な媒体で再現するインスピレーションを与えてきました。そんな大理石を扱う職人の 1 人は、真に革新的な方法で自分の使命に取り組む決心をしました。この彫刻を再現できるよう、その縮小モデルを正確にデジタル化することにしたのです。

革新的なツールの選択

この仕事の依頼はArtec 3Dパートナーであり、Lacro Tech社によって設立された3D Industrial Design Group (別名「3DID Group」)の元に届きました。  3Dスキャンや3D プリント、そしてコンピューター グラフィックス等の専門家で構成されたこのチームは、イタリアの一流大学や企業と緊密に連携しています。

「このお客様は、スキャナの購入を決定する前に、まず試しにスキャンをしてみてくれませんかとお願いしてきました。彼らは競合他社にも同じテストを実施するよう依頼したそうです」と3DIDに務めるルイージ・フェレッティ(Luigi Ferretti)氏は言います。「これらのテストの後、彼らはSpace Spiderを選ぶことになりました。Artec スキャナで得られた結果の方が、精度とディテールにおいてはるかに満足のいくものだったからです」

この選択は正当なものでした。この複雑なジオメトリを持つ小型フィギュアにとって、Artec Space Spider はまさにこの顧客が探していたものだったからです。この最大0.05 mmの精度を誇り、 複雑な表面やシャープなエッジ、そして薄い要素をレンダリングできる機能を持つ高解像度3Dスキャナが、この彫像を詳細にキャプチャするための最適なソリューションとなりました。Space Spiderが明らかに他製品に勝っていた他の要因は、その軽量さと使いやすさでした。ユーザーはこのスキャナをカメラと同じようにオブジェクトに向けてスキャンするだけで作業ができます。

Madonna di Trapani

Artec Space Spiderを使用してフィギュアの細部までキャプチャしている様子。画像提供:Lacro Tech

3D分野における精通と向上された精度

仕事に適切なデバイスを装備したチームはスキャンに取り掛かり、小像の上部からはじめて下部をキャプチャし、それから複数の角度から王冠をスキャンしました。最後に、スキャンで得たデータはArtec Studioによって迅速に処理されました。

非常に狭い間隔で配置されている王冠の先端部分など、スキャンにいくつかの課題はありましたが、プロセス全体にかかった時間はわずか35分でした。スキャン技術者のスキルとArtec Space Spider の精度の向上により、小像を完璧にレンダリングすることが可能になりました。

「今回のスキャンは私達がまさに達成したかったものですし、細部まで完璧でした」

「トラーパニのマドンナを描いた小像のスキャンはかなり大変でした」と、Lacro Tech社のスキャン専門家であるアンドレア・マエストリ(Andrea Maestri)氏は言います。「基部と胴体は特に問題ありませんでしたが、聖母の頭頂部にはスキャンが難しい領域がいくつかありました。熟練されたスキルと極度の忍耐力、そしてArtec Space Spider の高い品質のおかげで、この小像を正確に再現することができました」

今回の顧客からのフィードバックは、これ以上ないほど反響が大きいものでした。「今回のスキャンは私達がまさに達成したかったものですし、細部まで完璧でした」神聖な作品の複製において、細部は非常に重要となります。そういったディテールを目にして、献身的な人々は彼らが持つ神聖なイメージに対して「語りかける」のですから」と今回のプロジェクトの依頼をした大理石の芸術家は言います。

Video file

重要な意義をそのまま残すためのさまざまな方法

今回の聖母の完璧に詳細を含んだデジタル画像によって、将来における他の3Dスキャンの応用の多様な可能性を大いに解き放つことになりました。文化的な応用から、宗教的遺産の保存や教育、葬送芸術に至るまで、その可能性は数多く存在します。後者は明白な応用法ではないかもしれませんが、多くの文化における宗教的伝統の重要な側面です。3Dスキャンのおかげで、現在では神聖な美術品の3Dレプリカを墓石の作成や礼拝堂の装飾に使用できるようになりました。

Madonna di Trapani

最終的な3DモデルはSketchfabで鑑賞することができます。画像提供:Lacro Tech社

その保管場所が教会であっても美術館であっても、歴史的に重要な宗教芸術作品は、劣化や壊滅的な事故、時間、そしてなにより文化的な意味で人々から忘れられてしまう可能性という試練に耐えるため、デジタル化することができます。3Dスキャンは、原物に損傷を与えることなく、研究や改修、そして保存のために芸術作品を再作成する機会を提供します。そして一度スキャンが完了すると、シチリアの大聖堂に置かれているトラーパ二のマドンナが優しく微笑みを浮かべているように、人々にインスピレーションと啓発を与えるためにそこに存在し続けることでしょう。

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