CMMマシン(三次元測定機)とは何ですか?

2021年 4月 5日
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概要 

何十年という長い期間、非常に正確な測定を必要とする企業らは、CMMに大体目を向けてきました。しかし最近では、それとは別のソリューションが登場しました。そのソリューションとは、CMMと比較して多くの魅力的な利点を提供します。例えばどこにでも持ち運びができ、使いやすく、オブジェクトの表面に対して安全で接触が要らず、10~50倍高速な測定ができるなど、他にも沢山の点があります。

CMMの強み
高精度、信頼性、耐久性
CMMの欠点
コスト、遅い速度、長い学習曲線
代替案:3Dスキャナ
お手頃価格、高速、使いやすさ、非接触型

前置き

正確な線形測定は、何千年もの間で社会の基盤となっています。一番始めに計測機として使用されていたのは、指の幅や足、またはキュビットと呼ばれる腕尺(肘から中指先までの距離)といった、人体そのものでした。それ以来、私たち人類は長い道のりを歩んできました。

やがて私たちは定規、キャリパー、そして巻尺を発明しました。これらのツールは今日でも使用されており、計測用のツールボックスで重宝されています。しかしそれから1950年代後半から1960年代初頭にかけて、最初の3軸CMM(座標測定機)が市場に登場したのです。それに続いて、1980年代初頭には測定アームを備えたポータブルCMMが登場しました。

年を追うごとにテクノロジーははるかに優れたものになり、最新のCMMは、世界中の何千人ものユーザーの間で昔から馴染みのある品質検査のツールとして愛用されています。

品質管理の領域を超えて、制御されていようがプログラムされていようが、座標測定機はリバースエンジニアリングやラピッドプロトタイピング、またはその他の分野でも使用されています。

CMMマシンのしくみ

硬化鋼製ウォームギアのCMM測定

指でオブジェクト全体をなぞることを想像してみてください。例えば、起伏地図を使用してみましょう。山脈の端を指先で滑らせて深い谷を通り、最高峰まで登ります。その最中には、指先の経度(X)、緯度(Y)、および高度(Z)の座標が移動するにつれて変化します。

キーポイント:

このタッチトリガープローブは、測定対象のパーツまたはオブジェクトの表面全体にあるポイントを記録します。

三次元測定機もまた、それと同様に機能します。これをより詳しく説明するために、タッチトリガープローブを備えたCMMに焦点を当てます。これは間違いなく、現在最も使用されているCMMプローブです。この高感度プローブは、測定対象のパーツまたはオブジェクトの表面全体にあるポイントを記録します。

このプローブが接触している3つの軸(XYZ)は、CMMによって記録され、数十から数百に及ぶ他のXYZ測定と組み合わせ、多くの場合検査用にオブジェクトやパーツを正確に測定するために使用されます。それからこれらの測定値を仕様と比較し、パーツが許容可能な規格に準拠していることを確認します。

CMMマシンのカテゴリ

CMMマシンの4つの基本的なタイプには、ブリッジ、カンチレバー、ガントリー、および水平アームがあります。これらの中で、ブリッジCMMは間違いなく最も人気があるタイプで、マイクロメートル精度の測定機能を提供します。それらの相対的に見てお手頃な価格は、製造コストの低さのおかげです。

設計された機械部品たち

小型オブジェクトやパーツを扱うために設計されたカンチレバーCMMは通常、製造現場での使用に適しており、3つの側面からアクセスができるので、オペレーターが快適に使用できます。ガントリーCMMは、ブリッジCMMのような最適な精度を提供しますが、大型で重いパーツに適しています。ガントリーマシンは床に取り付けられているため、設置用に強固な基盤が必要です。

水平アームCMMは、この4つの中で最も精度が低くなりますが、特に自動車や海運、鉄道業界でよく見られるような生産量の増加に伴い、より大型のオブジェクトややコンポーネントを検査する場合に利点がいくらかあります。臨界公差の仕様がそのCMMの性能を超えない限り、水平アームは費用効果の高い検査ソリューションになります。

CMMプローブの種類

CMMプローブの種類には、タッチトリガープローブや変位計測プローブ、近接プローブ、マルチセンサープローブなど、さまざまなタイプがあります。

まず始めに、タッチトリガープローブから始めましょう。座標をCMMのプロセッサに送信するには、測定対象であるオブジェクトの表面にタッチトリガープローブを接触させる必要があります。その一方で、変位測定プローブの場合はパーツまたはコンポーネントをスキャンすることで機能し、変位測定プローブは表面測定データのストリームをCMMに中継します。

近接プローブは変位測定プローブと同様に、プローブがオブジェクトと物理的に接触する必要がありません。近接プローブが他と異なる点は、変位測定プローブが採用している光電気センサーの代わりに、レーザーやビデオ技術を導入していることです。

自動車部品をキャプチャするCMM技術者とロボット

CMMマシンの長所

計測学についてのいかなるジャーナルでも、そのほんの数ページをめくってみるだけでいかにCMMがさまざまなジオメトリにおいて驚異的なサブミリメータの精度と正確度を提供できるかがお分かりいただけるはずです。その上、主要な三次元測定機は何年も作動し続けます。そのような技術への投資するということは、10年以上その機器が稼働することを期待するという観点から見ることができます。

キーポイント:

CMMはさまざまなジオメトリにおいて驚異的なサブミリメータの精度と正確度を提供できます。

製造前やインラインの段階、または最終検査の場合でも、三次元測定機はパーツやコンポーネントをチェックするための効果的なソリューションになります。CMMを規定の品質検査のワークフローで使用すると、サブミリメータの範囲を正確に測定できる安定した能力を備えているので、時間と費用の両方を節約し、また訴訟や大災害の発生を防ぐことさえできます。

短所

コスト、インストレーション、プログラミング

上質な三次元測定機の価格帯は、機能とパフォーマンスに依りますが、大体約50,000ドル~250,000ドル以上までに及びます。購入を10年に1回と考えたとしても、かなりの出費になりかねません。インストレーションは2番目にかさむコストで、考慮すべき事項です。CMMは、振動を減衰してくれるスラブに適切に設置される必要があり、接地される部屋は常に圧縮された空気が安定して供給されていて、十分に換気されていなければなりません。

CMMによるエンジンブロックの検査

全体として言えることは、信頼性が高く中級の三次元測定機の価格は、機器自体のコストとそのインストレーションのコストを合わせると、50万ドル以上する可能性があります。それからさらに、使用のためのトレーニングも必要です。計測機器であるCMMは、技術的な作業ができる専門家のみによって操作されなければなりません。これには時間とトレーニングの両方が必要となります。しかも、そのような経験豊富な技術者は、業界全体で高い需要があります。

CMMマシンをインストールして準備が整ったら、資格を持つオペレーターと共同で初期キャリブレーションの他にも、定期的に測定するパーツやオブジェクトの種類に合わせてマシンをプログラムする必要があります。異常なコンポーネントのために行う1度限りの検査には、通常は事前に特別なプログラミングを伴うので、セットアップに時間がかかる場合があります。

キーポイント:

航空宇宙や自動車、または考古学の分野でよく見られるような大型オブジェクトは、きちんと適切に測定するために非常に長い時間が必要となる可能性があります。

CMMは測定前にパーツを適切に配置してから所定の位置に固定する必要があるため、オペレーターはそれぞれのオブジェクトにそういった追加の時間がかかることを考慮する必要があります。また同様に、航空宇宙や自動車、さらには考古学の分野でよく見られるような大型オブジェクトは、きちんと適切に測定するために非常に長い時間が必要となる場合があります。またこのことがオペレーターに過度の疲労感を与えることもあります。

時間のかかる測定とオペレーターに与える過度の疲労感、損傷のリスク

このような例の1つとして挙げられるのは、海洋考古学者らが(Faro Arm製の)CMMマシンを使用して、バイキング時代の船にあった長さ8メートルの船の木材を正確に測定しようとしたときのことです。各木材は、そのCMMマシンで2時間以上の測定を必要としました。228本の木材を目の前にし、そのデバイスを介してすべてを処理するには4人のチームにが手掛けても1年以上はきっとかかったでしょう。

Artec Evaで古代の木造船の材木をキャプチャする海洋考古学者

しかしその仕事の締め切りが迫っていたので、その考古学者らはその仕事のために3Dスキャンを使用することに決めました。CMMマシンとは対照的に、彼らが選んだハンドヘルド3Dスキャナはわずか1か月で228本すべての木材を高解像度カラーでキャプチャし、処理をすることができました。各木材はわずか5〜10分でキャプチャされました。そしてそのスキャンの詳細レベルは、樹木年代学による分析でその古代の木材がどこから来たのかを特定するのに十分でした。

最も一般的な種類のプローブを用いてCMMマシンでパーツを検査する場合、長い測定時間以外で必要になることは、測定するすべての表面にプローブを接触させることです。これは特にパーツの一部がブロックされている場合や、手の届きにくい場所にある場合に困難になる可能性があります。これにより、その表面を測定できなくなる場合があり、その対処としてソフトウェアを用いてそれを後で再作成しなければならなくなるかもしれません。そうなると、精度は低下してしまうことになるでしょう。

自動車部品の寸法を測定するCMMマシン

CMMマシンにプローブの接触が必要になることも、CMMが多くのアプリケーションで採用されない理由になります。測定プローブは、ゴムや柔らかいパーツに触れると変形してしまい不正確になるだけでなく、CMMプローブがさまざまな材料に損傷を与えることも珍しくありません。引っかき傷や擦り傷といった類の表面へのダメージは簡単に発生してしまう可能性があります。

こういった理由から、3Dスキャンなどの非接触の測定方法は、リバースエンジニアリングや考古学、品質管理、歴史的保存、法医学など、さまざまな分野で頼りになるソリューションです。世界中の専門家たちは、価値の高いオブジェクトや重要な証拠が損なわれる危機に直面している場合において、取り返しのつかない損害が起こる可能性があってはならないことを理解しています。

実用的な代替手段としての3Dスキャン

上記のように、プロフェッショナルのハンドヘルドおよびデスクトップ3Dスキャナは、最も厳しい品質保証や検査、またはリバースエンジニアリング用のタスクに効果的なソリューションです。使用される場所が工場のフロアであろうと、積み込みドックであろうと、このようなスキャナは生産ワークフローのどの段階においても、しっかりと固定されたCMMマシンがサブミリメータ精度の3Dで、わずか数分でキャプチャすることができます。しかもそれは、通常測定に1時間以上かかってもおかしくないものを扱ってもです。

スピード、使いやすさ、携帯性

とある2人のチームが大英博物館にて、わずか数週間で400個以上にも及ぶ19世紀の古代マヤ時代の壊れやすい石膏模型を撮影する任務にとりかかっていた際に、ここでの例として相応しい状況が発生しました。損傷のリスクがあったため、物理的接触が必要な測定は問題外でしたし、時間の制約も当然ありました。サブミリメータ精度を得ることは不可欠であり、研究者たちや美術館はその模型の仮想モデルや3Dプリントされたモデルを待ち望んでいました。

キーポイント:

プロフェッショナルの3Dスキャナは操作が簡単で、最も厳しい品質保証や検査、またはリバースエンジニアリング用のタスクに迅速に行える効果的なソリューションです。

中~大型の石膏模型はそれぞれわずか10分でスキャンされました。深さがあるために手が届きにくい箇所のある彫刻や、湾曲したエッジを含むすべての表面が、高解像度のカラー3Dで非常に注意深くキャプチャされました。CMMマシンが安全なオプションであったとしても、各模型に必要となる時間は1時間以上だったため、もしCMMを使用していたら、緊急に完了させることが求められていたプロジェクトは締め切りに何か月も遅れてしまっていたことでしょう。

大英博物館にてArtec Evaを使用しマヤの記念碑の鋳型を3Dスキャンしている様子

最高の3Dスキャナは操作が簡単なはずです。わずか1〜2時間のトレーニングを終えれば、完全な初心者でも上手く3Dキャプチャができるようになるでしょう。これは、現代のユーザーは品質検査タスクのためのテクノロジーをきちんと身に着け、それを使用できる能力を十分に備えていることを意味します。

お手頃価格、直感的に使用できるソフトウェア、オブジェクトの表面に負担をかけないデータキャプチャ

CMMとは異なり、3Dスキャナはインストール料金が不要で、通常はトレーニングが含まれていますし、最終的なコストはCMMと比較するとほんのわずかです。軽量で非常に携帯性に優れ、オフィスやクライアントがいる現場がどこにあろうと高品質の3Dスキャナは使用が可能です。これらは長年にわたって使用されることを想定して設計されています。

もしもご希望のデバイスに、解像度と精度を倍増させてくれるスキャンソフトウェアの定期的な機能強化がもれなくついてくるならば、何年という月日が経過してもそのスキャナは箱から取り出した最初の日よりもさらに優れた結果を提供するはずです。

同じスキャナ(Artec Eva)を用いて作成された金属部品の3Dモデル。HDモードを備えたArtec Studioにアップグレードすると、結果が劇的に向上します。

オブジェクトの明確で鮮明なデータをキャプチャする場合、そして特に検査の場合、ご利用になるプロフェッショナル3Dスキャナには、表面距離マップなどの分かりやすい視覚的なレポート機能を備え、使いやすいスキャン処理ソフトウェアを備えているべきです。さらに、Geomagic Control Xなどのフル機能の検査パッケージと統合できることは、大きな利点です。

100%非接触で行えるスキャンは、作業中にオブジェクトへ損傷を与えてしまうリスクがゼロであることを意味します。お取り扱いになるオブジェクトは、耐容性の高いシリコーン製の航空宇宙部品であったり、数千年前の化石、または犯罪現場での重要な法医学的証拠、もしくは貴重な博物館のオブジェクトなどである場合があります。保険会社や品質検査業者、または博物館のスタッフの中には、この非接触という環境に安堵のため息をつく方がおられます。特に以前、接触測定で損傷が発生してしまった経験があればなおさらです。

Artec Evaを使用して、ケニアで古代のワニの化石をキャプチャしている様子

市場投入までの時間の短縮、無数のアプリケーション、自動化の可能性

近年、ポータブル3Dのスキャンソリューションは、あらゆる種類のメーカーによって地盤が固められてきています。このようなテクノロジーによって、経営陣は生産サイクルの早い段階で慎重に定義された基準を達成することができています。そうすることで、設計から製造、そしてテスト実施のサイクルを最小限に抑えることができるため、顧客の拒否率を排除し、訴訟を回避しながら、時間と費用を大幅に節約できます。

ハンドヘルドおよびデスクトップ3Dスキャナの高いモビリティと高速キャプチャが、これらのデバイスを複数の分野で使用できる可能性を広げます。3Dスキャナの使用は、高精度の品質検査だけでなく、リバースエンジニアリングやVR / ARを活用したトレーニング、またはラピッドプロトタイピング等にも適しているということに企業が気が付くことができれば、すぐにそのテクノロジーの投資収益率(ROI)を最大限に高めることができます。

AIと3Dスキャン技術の近年の開発により、自動化された3Dスキャンソリューションが最前線に躍り出ました。人間の入力がほとんど要らず、同一で非常に複雑なオブジェクトとパーツの集合体が理想的なスキャンパスを使用してキャプチャされます。しかも、最高の精度で速く、そして完全なサーフェスキャプチャが実現するのです。製造前後にかかわらず、検査に使用される際にプロフェッショナルのデスクトップおよびロボットアームの3Dスキャンソリューションは、変動や欠陥を正確に特定しながら、ターンアラウンドタイムを短縮させることができます。その結果、よりスムーズで無駄のないワークフローが実現し、材料費が削減され、返品も少なくなり、品質基準も向上します。

結論

Artec Leo:ワイヤレスの自動オンボード処理を備えた高速サブミリメータ精度の3Dスキャナ

CMMマシンは紛れもなく今日の計測作業のワークフローにおいて効果的なソリューションになると言えるでしょう。ただし、その購入を決定する前に、他の測定技術も慎重に検討する必要があります。上記にあるように、多くの企業や組織にとって、最新のハンドヘルドおよびデスクトップの3Dスキャンソリューションは、CMMよりも優れた利点を提供するからです。

キーポイント:

多くの企業や組織にとって、最新のハンドヘルドやデスクトップの3Dスキャンソリューションは、CMMよりも優れた利点を提供します。

どのオプションを選択するか決める最良の方法は、ご自身で確認なさることです。ご希望のアプリケーションのニーズに応じて、ハンドヘルドおよびデスクトップのプロフェッショナル3Dスキャンソリューションと、CMMマシン両方の実演をそれぞれ隣り合わせでまず行ってみることです。事前にそのアプリケーションに必要な要件のリストを作成しておいてください。次に、各実演の後でそれぞれのソリューションの見積もりを手に入れてください。その際には、オペレーターのコストと社内の他の部署で必要になるデバイスの有無も忘れずに考慮してください。

結論としては、プロのハンドヘルドおよびデスクトップの3Dスキャンソリューションは、プロのトレーニングを受講してもしなくても、CMMマシンに比べわずかなコストと定期メンテナンスで、誰にでも測定ができるようにしてくれます。しかもこのソリューションはポータブルで、サブミリメータ精度を提供し、デジタルキャプチャでメトロロジーグレードの測定を可能にします。

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