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Mac用モデリング及び3Dスキャニング向けベストソフトウェア

2022年 10月 19日
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概要

3Dテクノロジーにおいて、3Dソフトウェアは重要な役割を担っているにも拘らず、その話題の中では大きく取り上げられることはごく稀にしかありません。よく耳にするのは高性能な最新の3Dスキャナ、3Dプリンター、若しくは画期的な3Dプリンティング用機材のことでしょう。このすべてを取りまとめる役割を果たす3Dソフトウェアは、このような会話の中では付随するものとして、若しくはほぼ補足のような扱いを受けることが多いのです。その言葉自体が話題に上ったとしても、Mac用のソフトウェアの名前を挙げるのにも苦労するはずです。圧倒的多数の3DスキャニングソフトウェアはWindowsプラットフォーム用に製作されていて、幸運であれば、WindowsとLinux向けのものもある、といった程度です。このように、Mac用のソフトウェアを探すのは大変なようですが、実際のところ、あるべき場所には出回っていて、そのような場所に詳しくなれば良いのです。そのため、この記事ではMacコンピューター用の3Dスキャニング、3Dモデリング用のベストソフトウェアの数種について、無料、有料の両方のものを含めて、要約した形でご紹介していきます。

無料ソフトウェア
3D Slash、TinkerCAD、Blender、FreeCAD及びSketchUp
有料ソフトウェア
Maya、Rhino、OnShape、Gravity Sketch及びArtec Studio
価格帯
無料から3000ドル

Mac用ベスト3Dモデリングソフトウェア(無料)

3D Slash

https://www.3dslash.net/features_downloads.php

利点
  • 使い易さ
  • 初心者に最適
  • ".stl"及び ".obj"フォーマットのファイルの取り扱いが可能
欠点
  • 機能は非常に限定的

3D Slashは簡単で楽しんで扱えるよう設計されており、使用するためにトレーニングを受ける必要もありません。その使用感はエンジニアリング用ツールというよりは、ゲームに近い感覚です。事実、このソフトウェアは、プレーヤーが異なる種類のブロックを使用して建物を建てていく、三次元の世界を舞台としたビデオゲームであるMinecraftとよく比較されます。そのため、このソフトウェアは学生の方やお子様、モデリングを始めたばかりの初心者の方に最適です。

3D Slashでは、形状にボクセルを追加したり、削り取ることができます。文字通り、3Dモデルをハンマーや鑿(ノミ)、ドリルまでを使用して彫刻するのです。立方体などから作業を始め、お好みの形状が得られるまで削っていきます。また、作成中の3Dモデルにサイズの変更が可能なボクセルを追加して、「増築」することも可能です。

ただ、残念ながら、このソフトウェアでできることは以上です。こういった機能以外にできることはあまりないため、その機能性の限界により、プロフェッショナルな実務での使用には不向きです。

3D Slashはダウンロード可能なアプリか、若しくは、さらに機能は限られますが、ブラウザでアクセス可能なウェブベースのアプリケーションとして入手可能です。無料プランではウェブベースのアプリケーションのみへのアクセスが可能で、ダウンロード可能なアプリは試用版のみが使用可能です。

TinkerCAD

https://www.tinkercad.com/

利点
  • 使用開始の際に役立つ指導付きのレッスン
  • 使用は完全に無料
  • 非常に簡単に使え、初心者に最適
  • 3Dプリンティング用プロトタイプを作成するために十分な機能性を搭載
欠点
  • オフラインでは機能しない、ウェブベースのアプリケーション
  • 本格的な3Dモデリング・設計ソフトウェアとしては不十分

TinkerCADも初心者の方にぴったりのソフトで、文字通り、何でも屋(tinkerer)の方にも適しています。このソフトは特に教育現場での使用にふさわしく、3Dスペースでの設計方法を習得したい方には良い出発点となるでしょう。また、明らかなように、TinkerCADは楽しんで作業ができるようにも設計してあります。 例えば、プロジェクトをLEGOやMinecraftの世界のように表示するオプションもあります。

プラットフォームに登録してログインすれば、3Dモデルの設計や製作を始める際に使用できる幅広い種類のツール、形状、テンプレートへアクセスすることができます。プロジェクトには、".obj"や".stl"、".svg"のフォーマットのオブジェクトをインポートすることも可能です。TinkerCADは、グリッドに定義された設定に基づいて寸法を表示します。

複雑な形状も、幾何形状をグループ化したり、形状の追加や除去を行ったり、形状同士を組み合わせたり、分割したりしながら作成できます。また、ワークスペースにも自由に書き込みができ、描いた形状も後に編集可能な3D形状へと変換することができます。

TinkerCADでは、作成したプロジェクトをワークフローの次の段階へ、".stl"や".obj"、".svg"形式などの異なったフォーマットでエクスポートすることも可能です。

Blender

https://www.blender.org/download/

利点
  • プロフェッショナルのアニメーター、VFXアーティスト、3Dモデル製作者、ビデオゲーム開発者の方々へ拡張機能を提供
  • 使用は完全に無料
  • 大容量を必要とせず、ダウンロードもインストールも快適
  • 豊富なオンラインチュートリアル
欠点
  • ハードウェアの性能の限界が原因である可能性もあるものの、遅れ、不具合、レンダリングに時間が掛かるとの報告有
  • その多機能性は、ワークフローによっては直感的に使いづらい場合も
  • 習得には時間が必要

Blenderは、macOSなどのプラットフォームで使用可能なオープンソースプログラムです。このソフトウェアは、プロフェッショナルな使用にも適した3D設計やアニメーション用ツールを搭載しています。モデル作成、アニメーション、レンダリング、合成、モーショントラッキング、ゲーム製作、そしてビデオ編集に至るまで、多くの用途に使用できるソリューションをもたらす、機能性に富んだパッケージです。

Blenderはかなりの長期間にわたり提供されており、オープンソースであることから、ソフトウェアの使用に慣れるための多くの無料のオンラインリソースや、チュートリアルが入手可能です。また、提供者の活発なコミュニティにより継続的に追加される新しい機能や性能により、定期的な改良が行われています。

FreeCAD

https://www.freecadweb.org/downloads.php

利点
  • 高度なジオメトリエンジン
  • ソリッドやBrepオブジェクト、曲面、サーフェスを用いた作業に使用できる幅広いツール
  • アドオンや拡張機能のインストールも可能
欠点
  • ソフトウェアがクラッシュするとの報告有
  • 使い易いタイプとは言えないユーザーインターフェイス
  • 新しいユーザーの習得には時間が必要
  • 機能の中には説明資料の不足しているものがある、と訴えるユーザーも

FreeCADも、当初は機械設計者を念頭に置いて開発された、プロフェッショナル用のオープンソースの3Dモデリングソフトウェアです。このソフトウェアはクロスプラットフォームで、Windows、LinuxやMac機器での使用が可能です。

FreeCADなら、ジオメトリ拘束条件を持つ二次元の形状を描画することが可能です。そのような形状を利用して3D幾何形状を作成した上で、どんなサイズのオブジェクトを構築することも可能です。また、高品質のドローイングを作成するためにFreeCADを使用することも可能です。

このソフトウェアでは、SVG、DXF、OBJ、IFC、STEP、IGES、STL、DAEやその他の多くのファイルフォーマットの読み込みやエクスポートが可能です。そのため、3DプリンティングやCNC機械加工など、皆様の現在の工程にソフトウェアを適合しやすくなっており、有限要素解析のようなタスクを実行したり、素材の量や価格のようなモデルデータを計算し、エクスポートすることができます。その上、オープンソースであるFreeCADは、アドオンによりその機能性を補うことも可能です。

SketchUp

https://www.sketchup.com/try-sketchup

利点
  • 使用が簡単
  • 数種のCADや3Dファイルフォーマットと互換性があり、異なるワークフローへの統合も可能
欠点
  • プロフェッショナルの方にとっては、無料版の機能は極めて限定的

SketchUpは使い易さを考えて設計された、ウェブベースの3Dモデリングソフトウェアです。しかし、3D SlashやTinkerCADと違い、初心者や趣味で使用されている方、一時的なユーザーの方へ限定的な機能を提供するだけのソフトウェアではありません。SketchUpは土木工学やビデオゲーム開発、インダストリアルデザインやプロダクトデザインのような非常に専門的な分野で使用される場合を含む、幅広い様々なプロフェッショナル向けの用途での使用を想定して開発されています。

SketchUpには、SketchUp Free(その名の通りの無料版)と有料で追加機能を提供するSketchUp Proの二つのバージョンがあります。SketchUp Proはプロフェッショナル向けにも開発されているため、そのような方にはピッタリのソフトウェアです。反面、無料版は、産業界標準に適合する3Dモデリングソフトの持つような機能は網羅していません。

SketchUp Freeは、スケッチングを簡単にするため開発されたソフトウェアであるため、それ以上を期待することはできません。お使いのうちにソフトウェアの限界に程なく達し、Pro版へのアップグレードが必要と感じるはずです。無料版には作業プレゼンテーションモード、地形モデリングやソリッドツール、設計図を描くツールなどのプロフェッショナルの方に役立つツールが不足しています。その上、二次元の設計図から3Dモデルの作成も、拡張機能の使用もできません。高度な複雑さを持つモデルの作成の必要のある方にとっては、このソフトウェアは良いソリューションとは言えません。

ただ、SketchUp Freeは、そういった限界のせいで全く「使えない」ソフトウェアでもないのです。クレジットカードの不要なサブスクリプションを行えば、10GBものクラウドストレージの使用、モバイルアプリでの3Dモデルの閲覧やプロジェクトに使用できるモデルの一覧へのアクセスが可能となります。

Mac用ベスト3Dモデリングソフトウェア(有料)

Maya

価格

年額1,700ドル

 

 

利点
  • ほぼ全ての種類のタスクの実行が可能な幅広い機能
欠点
  • 他の数種のソフトウェアと比べ、インストールと使用の際のハードウェアへの要求の度合いが高い
  • 習得の難易度が非常に高い

Mayaはクロスプラットフォームのアプリケーションで、Windows、LinuxやMac機器での使用が可能です。3Dの世界やキャラクターを現実のものとするために使用される3Dアニメーションや3Dモデリング、3Dレンダリングや補正、モーショングラフィックスやその他の機能や効果のためのツールを搭載した、機能に富んだプログラムです。Mayaは、受賞歴のある映画や、ゲームやコマーシャルでも使用されている3Dオブジェクトの設計に利用されています。 このソフトウェアには、布の模倣から風景全体や戦闘シーンの構築まで、すべてのことが可能な、直感的に使用できるモデリングツールが付属しています。

Mayaの幅広い種類のツールセットは、ポリゴンやNURBSを使用した3Dモデリングのためのオプションも付属しているので、幾何形状や線、曲面から3Dモデルの作成が可能です。また、スカルプティングやUV編集用のツールも備えています。Mayaはあらゆる種類のファイルの種類をサポートしていて、Adobe Illustratorのファイルのようなファイルフォーマットの読み込みが可能ですが、エクスポートすることができるのはmayaLTやFBX、OBJ形式のファイルのみです。

Rhino

価格

単一ユーザーのライセンス:995ユーロ

 

 

利点
  • 高度な自由造形の3Dモデリングツール
  • 航空機から貴金属まで、すべての種類の設計、プロトタイプ作成、変更、分析、製作が可能
  • ほとんどの3D関連のソフトウェアと互換性があるファイル形式の読み込みと出力が可能
欠点
  • 習得の難易度が高い
  • UIに改良が必要であるとのユーザーの声有
  • 容量の大きなファイルの保存には時間が掛かる
  • 記録用ツールには改善の余地有り

Rhinoは数種類の分野において様々な目的で使用されている、プロフェッショナル用3Dモデリングソフトウェアです。設計、製造、プロトタイプ作成のための3Dプリンティングや、リバースエンジニアリングのワークフローに使用されており、 インダストリアルデザイン、プロダクトデザイン、グラフィックデザインなどの数多くの分野での用途で利用されています。

このプログラムはオープンのモジュール方式を持つ、自由造形サーフェスモデル製作ソフトウェアであるため、プラグインを用いてインターフェイスのカスタマイズやメニューやコマンドの追加などを行い、その性能を拡張することができます。

Rhinoは、その異なる種類のデータを扱うことができる性能で評判が良く、 NURBS曲面やSubDデータ、ポイントクラウドやポリゴンメッシュの編集にも利用可能です。このため、異なる種類のワークフローにも使用可能な多機能なツールでもあり、貴金属から海軍まで、レンダリングからアニメーションまで、様々な産業分野での用途に利用されています。

OnShape

価格
  • ユーザー一人につき年額1,500ドル(標準版)
  • ユーザー一人につき年額2,100ドル(プロフェッショナル版)
 

 

利点
  • クラウドベース
  • 使い易さ
  • 習得も容易
  • 共同作業を容易にするためのバージョン管理やアクセス管理機能を搭載
欠点
  • オフラインでのアクセスが不可能のため、大規模のプロジェクトを妨げる恐れ
  • 使いにくいUI に慣れるために一定の時間が必要

OnShapeはCADの機能性、ビジネス分析、クラウドベースのデータ管理や共同作業用の機能を提供する、ウェブベースのサービス型ソフトウェア(SaaS)プラットフォームです。OnShapeのワークフローでは、作業グループ内でリアルタイムでの設計物へのレビュー、コメント、及び編集が可能です。バージョン管理システムと同様に、設計変更も並行して行うことができ、承認過程を経て完成品へ統合されます。 OnShapeはクラウドベースのプラットフォームであるため、異なるプラットフォーム上や、性能に限界のあるハードウェアで使用することもできます。

このソフトウェアは、様々な産業分野で使用できるソリッドモデルやサーフェスモデルの作成に利用されます。サーフェスの仕上げやジオメトリ的許容度(geometric tolerance)などの側面を考慮した、機械パーツの詳細なドローイングの作成にも利用可能です。組み立て部品の編集の際に、自動的に同期化された素材一覧を作成することもできます。OnShapeの性能は、プラットホームのREST APIに追加の機能を付加することにより、更に拡張することが可能です。資源計画(resource planning)やその他の拡張機能に関連した更なる機能は、OnShapeのアプリストアから追加することができます。

Gravity Sketch

価格
  • 依頼に応じて、販売企業が業務用価格を提示
  • 個人の使用は無料
 

 

利点
  • 3Dスケッチングやモデリング用のパワフルなツールを搭載
  • 画像や3D生成物をテクスチャや素材と組み合わせることが可能
  • 使い易さ
  • リアルタイムでの共同作業
  • 複数の機器上での設計が可能
欠点
  • 3Dプリンティング対応モデルのスカルプティング、ペインティング、及び作成には不向き
  • 大幅な後処理が必要

画像提供:Gravity Sketch及びYouTube

Gravity Sketchは3D設計ソフトウェアで、自由造形の3Dスケッチや詳細な3Dモデルの作成が可能です。必要であれば、作成したものはCADやレンダリングソフトウェアで使用することもできます。Gravity SketchはVRモデリング環境を利用し、".obj"、".iges"や".fbx"などの形式のファイルをエクスポートすることができ、Rhinoのプラグインもサポートしています。

Gravity Sketchは3Dモデルを何もない状態から、若しくは他のソフトウェアからインポートしたCADデータを利用して作成することができます。 このデータは視覚化や、仮想現実ツールを使用しての処理が可能です。クラウドとの互換性もあり、分散したチーム内での共同作業も容易となります。このソフトウェアは構想のスケッチやモデリングを行うには最適であり、設計者やイラストレーター、アーティストの方なら、最大限に活用することができます。しかし、Gravity Sketchで作成したモデルを3Dプリンティング用に準備するには、かなりの作業が必要です。

Artec Studio

価格
  • 三十日間の無料試用
 

 

利点
  • 使い易さ
  • スキャンからCADへの変換機能
  • 簡単で速いメッシュからCADへの位置合わせ
  • ネイティブのCGI及び計測フォトグラメトリの適用が可能
欠点
  • 互換性があるのはArtec 3D社製のスキャナのみ
  • Bootcampを介しての使用

販売中の3Dスキャニング及び処理用ソフトウェアの中で最も多機能なものの一つであるArtec Studioは、Mac上ではBootcampを利用してWindows環境に設定した上で、問題なくインストールすることが可能です。Artec Studioは産業分野のプロフェッショナルの方々に必要とされる、高度な機能を搭載した一体型のスキャニング及び3Dデータ処理用ソフトウェアです。Artec Studioではメカニカルな形状、自由形状の両方を使用でき、工程における作業の簡素化や迅速化のための数え切れない程の有能なUX機能を使用して、3DモデルをCAD幾何形状に素早く、直感的にフィットさせることができます。他のソフトウェアで使用するために、ファイルをあらゆる形式で保存してエクスポートすることも可能です。例えば、STEPファイルをSOLIDWORKSに直接エクスポートしたり、Design XやGeomagic for SOLIDWORKS上で使用できる複雑なメッシュを作成したりすることができます。

Artec Studio計測キットのプラグインは、Artec環境に計測機能のためのフォトグラメトリを追加します。一つの完全統合型のワークフローで、画像のインポートやOBCポイントクラウドの作成を行い、計測関連の用途に利用したり、大規模のオブジェクトや場面を3Dスキャンする際の参照データとして使用することも可能です。フォトテクスチャ機能を使用すれば、CGIフォトグラメトリを行うことも可能です。高解像度でジオメトリ的に正確なスキャンデータを得て、お持ちのカメラで撮影した高解像度の画像を貼り付け、CGIやVR/AR、アニメーションで使用できる、驚くようなフルカラーの本物のような3Dモデルを作成することもできます。Artec Studioは最大五億のポリゴンを持つデータセットを扱うことができ、高解像度での大規模のオブジェクトを用いた作業も難なくこなすことができるのです。 オートパイロット設定、若しくはマニュアルでのプリセットを利用して、よりコントロールできる状況でスキャンデータを素早く処理することが可能です。

皆様に合ったソリューションをお求めください

つまるところ、最終的に落ち着くソリューションは、皆様の技術的なニーズやお持ちの設備、皆様自身の専門知識の程度によって決まるのです。皆様には、創造的なアーティストの方にも、エンジニアの方にも、無料、有料両方の選択肢があり、産業における異なるニーズには、異なるソリューションが存在するのです。

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