3Dスキャンソルーション

Artec Jet・Ray II・Leoで日本の歴史的建造物、小田原城をデジタル化

課題:中庭や建物全体から跳ね橋、城門の個々の鋲に至るまで、広大な文化遺産施設のあらゆる細部を記録すること。

ソリューション:Artec Jet、Artec Ray II、Artec Leo、Artec Twins

結果:施設全体をカバーする、一体化された点群データを構築。大部分はArtec Jetでスキャンし、注目すべき箇所はArtec Ray IIとLeoでより精密にキャプチャされました。得られた高密度データセットは3Dで閲覧でき、バーチャルミュージアムツアーや継続的なモニタリングへの活用に最適です。日本が誇る小田原城が長く後世に伝わるよう、保全状況の確認にも役立てられます。

Artec 3Dを選ぶ理由:機動性に優れたArtec Jetはバックパックに装着したまま歩くだけでスキャンできます。地上から最大300メートルの範囲で高い構造物を含むシーン全体を、わずか数分でキャプチャできます。Artec Ray IIとLeoは、長期モニタリング、損傷評価、修復といった用途に向けた高精度計測に対応しています。

Odawara Castle

小田原城の入口。Artec Jet 3Dマッピングでキャプチャしたもの。

小田原城:日本の歴史へといざなう場所

小田原城が築かれたのは500年以上前のことですが、最初の砦が築かれたのは鎌倉時代に遡ります。武士の台頭と日本初の将軍が生まれたことで知られる時代です。

この城の由緒ある壁には、幾重にも歴史が刻まれています。丘の上に立ち、堀に囲まれたこの城は堅固な守りを誇ることから、長年にわたって争奪の的となっていました。1561年から1590年にかけて小田原城を巡る攻防が三度繰り広げられ、その後の約100年間で城は幾度も主と共にその形状も変え、その都度、時の権力者が独自の色を刻み込んでいきました。

時として、小田原城の遺産を守ることは困難を伴いました。1703年から1853年にかけて複数の地震が城全体を揺るがし、19世紀後半の明治政府はすべての封建的建造物の取り壊しを命じたため、城はほぼ解体されてしまいました。

そして1938年、残存していた小田原城は文化財に指定され、少しずつ再建が進められました。しかし、その後も長年にわたり、継続的な改修が必要な繊細な歴史遺産であり続けています。こうした背景のもと、貿易視察のため日本を訪れていたArtec 3Dのサポートチームは、Artec JetArtec Ray II、そしてArtec Leoを使用して城全体をデジタル化し、将来の世代へと残すことを決めたのでした。

城全体をわずか数分でキャプチャ

現地に到着したエンジニアたちは、これから挑む課題の規模をすぐに実感しました。かつて中世日本最大級の要塞のひとつであったこの城の外周防衛ラインは、実に9キロメートルにも及びます。また、小田原城は国の史跡として一般に公開されているため、施設を占有してスキャン作業を行うことはできませんでした。

そのため、スピードと目立たないことが非常に重要でした。三脚に固定したArtec Ray IIをLiDARとして城内各所に設置しながら撮影することも技術的には可能でしたが、動く人物を除去するために二重スキャンが必要になることを考えると、その時間的コストは現実的ではありませんでした。この場合、Artec Jetを使う方がはるかにシンプルな方法でした。

Odawara Castle

小田原城の中心にある寺院のArtec Jetによるスキャン画像。

デバイスをバックパックに装着することで、城内を歩きながらスキャンすることができました。まるで観光客のように現場を歩き回るだけで、その光景全体をキャプチャすることができました。Artec Jetのリモートアプリによってスキャンの進捗をリアルタイムで確認できたため、チームは細部を見落とすことなく作業を進められました。また、短距離用スキャナと比べて、作業時間を大幅に短縮することもできました。

「Artec Jetは直線的にスキャンします。歩くのに2分かかれば、スキャンも2分で完了します。シーンの複雑さはほとんど関係ありません」と、Artec 3Dのスキャン専門家、キーナン・テネンボイム(Keynan Tenenboim)氏は説明します。「Leoが2〜3枚の壁をスキャンする間に、Ray IIは建物1棟をスキャンし、Jetは城全体をデジタル化しました。Ray IIとLeoは、アクセスが難しいエリアや、城壁、門、中庭といった箇所をより詳細にキャプチャするのに非常に役立ちました。」

Artec Jet、Ray II、Leoという最強の組み合わせ

木々や川、広い連絡通路といった自然環境は、現場の状況を把握するうえで有益な情報を提供しますが、必ずしも高精度でのキャプチャは必要ありません。Artec Jetはこうした背景情報の取得に最適で、連続した点群を生成しながら、歴史的な城壁、装飾的な屋根、中庭といった城内の見どころとなるポイントをつなぎ合わせていきました。

Jetの300メートルというスキャン範囲のおかげで、脚立や足場を使う必要はありませんでした。城内の構造物は地上からキャプチャすることができ、他の観光客に気づかれることもありませんでした。固定した視点からスキャンするRay IIとは異なり、Jetはアクセスが難しいエリアにも柔軟に対応できました。どちらのスキャナもLeoと比べると精度は劣りますが、だからこそデータセットを組み合わせることで最高の結果が得られます。

Odawara Castle

Artec Jet(濃い青)、Artec Ray II(薄い青)、Artec Leo(グレー)の点群データを統合し、あらゆるスケールで高い精度を実現。

今回のプロジェクトでは、Ray IIが内庭と城門のスキャンに使用され、Leoは入口裏の狭いエリアといった細部の記録に活用されました。ハンドヘルド型3Dスキャナは、近くにある中世の城壁のキャプチャにも最適でした。以下のスキャン画像からもわかるように、タイルの模様、文字、城壁内部の構造といった細かいディテールがすべて一度のスキャンでキャプチャされています。

「これは、3種類のスキャナすべての利点を実証するのに最適なプロジェクトでした」とテネンボイム氏は語ります。「メインの城はLeoには向いていませんでしたし、Ray IIにもイマイチ合いませんでした。正面外観を100メートル離れた場所から見渡せる良いアングルがなかったのですが、Jetの広いスキャン範囲のおかげで地上からスキャンすることができました。ドローンにJetを搭載すれば屋根のキャプチャの精度をさらに上げることもできましたが、それには現場での事前準備がより多く必要になります」

文化遺産の保存から実用的な活用へ

スキャン作業を終えたエンジニアたちは、データをクラウド経由でArtecのルクセンブルク本社に送り、Artec Twinsで処理しました。大規模なデータセットの処理に特化して設計されたArtec Twinsは、Artec Jet、Ray II、Leoのスキャンデータを統合できるソフトウェアです。統合されたデータは、統一された点群データとして、またはAutodesk Revitなどの業界標準プラットフォームにエクスポートできる3Dメッシュとして出力できます。

Odawara Castle

Artec Leoでキャプチャした城外壁の細部。

活用方法としては、生成された3D点群データはバーチャルミュージアムツアーの構築に最適で、訪問者が小田原城を仮想空間で探索できるようになります。また定期的なデータ取得によって、施設管理者が現地の状態を継続的に監視することも可能です。たとえば伝統的な屋根が沈み始めた場合でも、迅速な修繕対応ができます。

手持ち、バックパック、ポール、ケージ、ロボット、車両、ドローンと、7つのモードで展開できるArtec Jetはあらゆる環境に対応し、複雑な複数ツールを使ったワークフローを一台で置き換えることができます。今回の小田原城のスキャンは、Artecにとってまだ始まりに過ぎません。探索すべき場所はまだまだたくさんあるからです。

Artec Jetについてさらに詳しく知りたい場合は、sales@artec3d.comまでお問い合わせください。

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