3Dスキャンソルーション

Artec Point、及びMicro IIを用いて仮想博物館用にデジタル化された掛け替えのない伝統工芸品

課題:何世紀にもわたるスペインの歴史における百五十を超える繊細な博物館所有の工芸品を仮想展示、及び実際での再現に必要な正確さを持つ形でデジタル化すること。

ソリューション:Artec Point、Artec Micro II、Artec Studio、及びAdobe Photoshop

結果:鮮やかで詳細に作成されたコイン、針、陶磁器の破片、並びに彫刻品の3Dモデルで、近日公開の展示会への利用準備が完了し、学習ワークショップのために3D印刷も施された。

なぜ、Artec 3Dなのか:Artec Pointは、最も細かい部類のジオメトリ形状のディテールを最高で〇.〇二ミリメートルの正確さと解像度でキャプチャする。この万能のハンドヘルド式機器は三つのモードを備えているため、ほぼすべてのスキャニング用途に適用でき、小規模から大規模なパーツを高速でキャプチャすることができる。一方、Artec Micro IIは最小規模のオブジェクトの五ミクロンの正確さを持つモデルを実現する、全自動のフルカラーのスキャニングが可能となる。

Archeological Museum of Asturias

Artec Micro IIでキャプチャされたスキャンデータを処理するプロジェクト主任Paula Suarez Ramirez。画像は、アストゥリアス州考古学博物館のご厚意で掲載

アストゥリアス州考古学博物館(The Archeological Museum of Asturias)にはスペインの硬貨や肖像、武器やその他の最も興味深く貴重な考古学上の発見物が一部、収蔵されている。

所有する工芸品を新たな人々にも利用可能とすることを目指し、博物館は最近、エンジニアであるPaula Suarez Ramirezに、地域のITサービスプロバイダーであるDigital Fiber Planners社を代表して業務に携わり、その収蔵品の一部をデジタル化する任務を課した。デジタル文化遺産保全は既に全世界で急増しているが、今回の業務の遂行は至難の業であったであろう。

Ramirezは第一次世界大戦に遡る、百年以上も前の標本を扱うことになったため、破損のリスクを最小限に抑えることが重要であった上、輸送は危険なため、この業務のためにRamirezはカナリア諸島からスペイン本土へ遠征しなければならなくなった。

速さ、リアリズム、正確さも大事な点となった。他の3Dスキャナとフォトグラメトリによる前回の試みでは、結果的に長い時間を要した。計画は訪問者が工芸品をこれまでにないほど身近で鑑賞することができるような、真の意味での一対一の複製を3D印刷することであったため、十分なジオメトリの正確さを持つ3Dモデルの生成も同様に重要であった。

Archeological Museum of Asturias

ターンテーブル上の小さなオブジェクトをArtec PointでキャプチャするRamirez。画像は、アストゥリアス州考古学博物館のご厚意で掲載

RamirezがArtec社のスペインのアンバサダーであるGlobal Geosystems社へ連絡を取ったのはこのような理由からであり、同社はArtec PointArtec Micro IIでこの業務をサポートした。最高正確度を保証するスキャナと、小さなオブジェクトをフルカラーで、しかも細かなサーフェスのディテ-ルを含めてキャプチャできるスキャナである。

仮想博物館のための工芸品のキャプチャ

あらゆる形状やサイズを持つ百五十以上ものオブジェクトのデジタル化の任務を課されたRamirezには、それぞれに適応できるソリューションが必要となった。標本の多くは、その高い正確度と携帯性からArtec Pointによりスキャンされた。工芸品は、スキャンのトラッキングの質を大幅に向上させるよう開発された、スキャニング用ターゲットに覆われたターンテーブル上に設置された。ターゲットをオブジェクトそのものよりもテーブルに添付することで、あらゆる破損の恐れが軽減されたのである。

Ramirezによると、ここではPointの速さが特に印象に残ったようである。このスキャナの高フレームレートも、トラッキングの失われることの無い高速なスキャニングの実現に役立ったが、このことはこの程度の大きさ、及び種類の収集物一式を扱う際では重要な利点である。骨や陶器の破片、彫刻作品のごく小さなひっかき傷さえも取得され、スキャンし残されたディテールも生じさせなかった。

硬貨などの極めて小さなエッチングを施された比較的小さな物品の場合には、Ramirezは代わりにArtec Micro IIを使用した。その全自動のプラットフォームにより、オブジェクトを実際に手で扱う必要性は最小限に抑えられた。Micro IIは更なる正確度を持つフルカラーのモデルをも生成できるため、現実感を最大限に引き出すには最適である。極めて小さな物品のキャプチャにおいてはArtec Spider IIでも同様の成果を挙げることはできたが、Micro IIが実際、このクラスでは最高と言える。

Artec Spider IIでスキャンされた硬貨の3Dモデル

「Microの方が、格段にテクスチャ(色)の質が良い。硬貨や極めて小さい針などの小さな物品のキャプチャの際にも、より良い成果を挙げる」と、Ramirezは説明する。「Microを用いれば工芸品を固定できるため、落下させたり破損したりする危険性も最小限に抑えられる。そうでなければ、情報をすべて取得するために手作業で何度も角度を変えて設置し直さなければならない。私にとってはMicroで小さな作品をすべてスキャンしてデータを直接保存する方が望ましく、博物館もこのやり方に満足している」

Artec Studioで取得データに磨きを

スキャニングが完了すると、RamirezはArtec Studio上でデータ処理を行った。3Dモデルを完璧な形で完成させるためにはあらゆる角度からのキャプチャが必要となり、その後、Artec Studioの高度な位置合わせ・メッシュ化ツールがスキャンデータの統合を素早く、簡単なものとした。このソフトウェアはメッシュ単純化、すなわち、より容量の軽い、簡単に修正できるエクスポート用ファイルを生成するポリゴン数の低減も行う。

この手法により、Ramirezは異なる用途に対するディテールの程度の調整ができた。博物館は忠実度を最高のものとするため、百万ポリゴンを持つモデルの作成をウェブサイトでの閲覧用に最適化された容量の軽い二十万ポリゴンのモデルと共に一度、依頼してきた。百五十以上のモデルを納品するため、ファイルサイズを扱いやすい程度に維持することは巨大なデータセットの蓄積を回避するには必須事項であった。

必要な際には、Adobe Photoshopでテクスチャが更に追加された。モデルが驚くほど本物のようであったため、その成果には一層の磨きをかける価値があった。ジオメトリも3D印刷に充分な詳細な形でキャプチャされ、博物館は既に複雑なサーフェスや穴を持つオブジェクトの複製(これは従来ではデジタル化が困難であった)を完成させることができていた。

「すべてのモデルをとても速く処理する、Artec Studioには非常に驚きを覚えた」と、Ramirezは付け加える。「フォトグラメトリなら写真をすべて位置合わせする必要があり、簡単にはできない上、時間も掛かる。Artec Studioは優れた性能で使いやすく、私が正に求めていたものであった」

始動へ:更なるリアリズムの追求へ

完成した3Dモデルは現在、訪問者が仮想的にアストゥリアス博物館の所蔵品を鑑賞できるオンラインのプラットフォームへの設置の準備中である。選定された作品は子どもたちが再現作品を自由に手に取って学ぶことのできる、全く新しい手法で歴史を現代に蘇らせる教育的ワークショップのために三次元の複製を作成する計画の下で、3D印刷される予定である。

Archeological Museum of Asturias

アストゥリアス州考古学博物館。画像はウィキメディア・コモンズ、AdelosRMのご厚意で掲載

Ramirezは、このテクノロジーにスペイン文化遺産部門における計り知れない潜在性を見出している。本土の公共機関では既に3Dデジタル化の採用が始まっているが、Ramirezは自身が拠点とするカナリア諸島にも同様の機能を積極的に導入したいと考えている。「スキャナを何台か買い、このようなことを実践してみたい」とRamirezは話す。「まだ、地域の人々はこの可能性に気付いていないが、それも時間の問題だと考えている」

将来を見据えると、Artec Studioでのフォトグラメトリの統合は未来のプロジェクトを効率化する。複数のソフトウェアの間を行ったり来たりするよりも、スキャンデータを単独の環境で組み合わせる性能があれば所要時間も大幅に低減され、デジタル化のワークフローも単純化できるため、Ramirezは程なく、こういった新たな性能の知識を進んで深めていくであろう。

古代の硬貨から何世紀も前の陶器まで、アストゥリアス博物館のプロジェクトはArtec社製3Dスキャニングが文化遺産をかつてなく利用しやすいものとしていく過程を示す実例であり、息をのむほどの詳細さで過去を保存する傍ら、世界中の新たな人々に利用可能なものとしている。

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