AIフォトグラメトリの限界に挑む:複雑で光沢のあるオブジェクトのArtec Studioによるデジタル化
課題:綿密な準備も業務用のハードウェアへの投資も必要の無い、日用家庭用品の3Dモデルの製作。
ソリューション:スマートフォン、及びAIフォトグラメトリ(Artec Studio)
結果:あらゆる角度からキャプチャされ、鮮やかに細かく描写された鳥の餌かごのモデル。オブジェクトが何層にもわたる上、従来ではスキャンの難しかった光沢のあるサーフェスを持つにも拘らず、Artec Studioは一分間の動画から極めてリアルで、水も漏らさぬほど精巧な3D版を数分で作り上げた。
なぜ、Artec 3Dなのか:Artec Studioに新しく搭載されたAIフォトグラメトリ機能であれば、ポケットに入っているスマートフォンを利用しての本物のような3Dモデルの製作が可能となる。画像、もしくは動画をあらゆる角度からただキャプチャするだけで充分であり、取得データはお持ちのPC上で迅速に組み合わされて、見た目にも素晴らしい成果に繋がる。高精度のエンジニアリングには理想的とは言えないものの、デジタル化、視覚化、及び設計反復には最適である。
Artec 3D社は業務用3Dスキャナで最も周知されているため、同社が低価格の利用しやすいフォトグラメトリのソリューションを提供していても不思議は無いだろう。それが、AI フォトグラメトリである。
Artec Studio Liteのサブスクリプション、あるいはArtec社の主力ソフトウェアの完全版、Artec Studio Proを通して利用可能である本機能は、製造業者から設計業務に携わる人々までのあらゆる方々へ大変革をもたらす。このテクノロジーは基本的に、3Dスキャンデータに適用できるジオメトリデータや本物のようなテクスチャをキャプチャしたり、スマートフォンでオブジェクトを何時でも何処でも、即座にデジタル化することができる。
既に、AI フォトグラメトリは極めて小さな昆虫から建造物全体までにわたるオブジェクトのデジタル化に利用されている。しかし、真の意味で本テクノロジーの性能を試すため、Artec社の長年のパートナーであるパトリック・ソーンは上記の鳥の餌かごのような、益々複雑化するオブジェクトのキャプチャに利用し始めた。通常、何層にもわたる上に光を反射するかご状構造物のスキャンは非常に難しい。
この試みは、パトリックと自身のiPhoneとっては問題なく完了した。設定も最小限に抑えられ、あらゆる角度からの動画のキャプチャ、及びそれに続くArtec Studioを用いた高度に詳細な3Dモデルの完成に要した時間は、わずか六十秒であった。
日常にあるオブジェクトをiPhoneでキャプチャ
通常、そのような入り組んだ形状の小さなオブジェクトは、超高解像度の3DスキャナArtec Spider IIであれば簡単にキャプチャできる。フォトグラメトリよりもこちらが採用されることには理由があり、サーフェスの適用能力、ジオメトリの正確さ、及び設定の速さなどがその一部に挙げられる。
しかし、高精度の寸法を得る必要が無く、現実感のみがものを言う場合はどうだろう。AI フォトグラメトリであれば、業界内の競合する他の手法よりも複雑なサーフェスを遥かに上手く扱うことができる。パトリックの鳥の餌かごはスキャン用機器を内部に持ち込めないため、この優れた例であり、更なるレベルの順応性を示している。また、このジオメトリは細く光沢はあるが色は比較的くすんでおり、その特徴のトラッキングを難しくしている。

それでも、パトリックによるデジタル化は一瞬で完了した。餌かごが自然に置いてあるような屋外の環境での業務では、周囲にフィーチャが豊富であったり、光量が理想的であるなど、あらゆる利点がある。画像をできる限り多くの角度からキャプチャすることもできたが、最終的に必要だったのは一本の動画であった。パトリックはほんの数秒の間に、このiPhoneの動画の作成からPCへの転送、そして3Dデータセットの完成まで漕ぎつけた。
「今では、気に入ったものを見つけたら即座にスキャンできる。写真を数枚撮るか、動画機能を使うだけで良い。こんなに簡単なことはない」、とパトリックは話す。「AI フォトグラメトリは、お持ちの携帯かカメラがあればすぐに利用できる。スマートフォンを取り出せば、3Dモデル製作用のデータを直接キャプチャできる。この手法を学ぶには、格好の始め方だ。必要なものは携帯とブラウザだけで、すべて上手く行く」
Artec Studioで動画から3Dモデルを製作
これ程、フォトグラメトリ3Dモデルの生成が簡単なことはない。このソフトウェアにパトリックが動画をアップロードすると、画像データは自動的に解凍されて組み合わされ、一体となった餌かごのモデルを形成した。この最初の処理工程に続き、本ソフトウェアによって矩形領域(boundary box)を調整することもでき(このことで、大事なディテールのみを含めることができる)、優れた成果を挙げることに繋がる。
もう一つのArtec Studio Liteの主な利点は、Pro版に搭載されているすべての編集ツールを備えていることである。今回の場合、パトリックは穴埋め、及びブリッジングにより、数ヶ所の小さな間隙、特にかごのハンドル周辺のものを埋めることができると気付いた。パトリックは更に、複数のデータセットのアップロード(これにより、穴埋めの必要性が全く無くなる)の便利さも指摘した。
スケールバーの導入によれば、AI フォトグラメトリは実用的な計測ソリューションにもなる。例えば、3D印刷物の修復が必要な際に本ツールは最適である。その上、Artec Studioの進化に伴って、Artec社によるフォトグラメトリも更にその性能を発揮できる。ワークフローの全自動化も、そのスキャニング技能が画像キャプチャ分野で利用される素晴らしい例である。
「確かに、Artec Studioは必要なすべての画像を実際に撮ったり、全部の作業を肩代わりしたり、完成モデルを量産したりはしないが、あらゆるツールが好きなように利用できるため、それに近い役割は果たしている」と、パトリックは付け加える。「完成したものもとても簡単に編集でき、ワークフローの設定で全自動化も可能である。Artec Studio Proでのスクリプト作成のようなものだ。モデル作成ソフトウェアでこれまで苦労してきた方々にとっては、AI フォトグラメトリは優れた、単純明快なソリューションとなる」
3Dモデル作成をすべての人々に
パトリックは、AI フォトグラメトリに小さなオブジェクトや人物の飾り物的な3Dモデルの枠をはるかに超えた可能性を見出している。自身のスマートフォンを使い、建築物の外観のデジタル化を既に実現しているが、この手法は更なる準備により、科学捜査での現場のキャプチャや発掘現場のデジタル化にも応用できる。Artec 3D社がルクセンブルグの歴史的建造物のキャプチャで実践したように、ドローンを導入することで更に拡張範囲も広がる。
エンジニアリングの観点では、パトリックはAIフォトグラメトリを視覚化の目的で大まかな輪郭のキャプチャにも利用可能である、と話す。パーツは裏返し、配置状態を数回変えた上でデジタル化を行う必要があるが、本テクノロジーは初歩的なリバースエンジニアリングの用途にも利用できる。
「フォトグラメトリは、十八世紀から利用されている」、とパトリックは締めくくる。「ただ、Artec 3D社の取り組みは、このテクノロジーを万人に利用可能なものとした。その使用も、今では更に簡単になっている。業務向けの成果を挙げることを望む方々は、3Dスキャナで使用するターゲットのように参照シートを印刷できる。過去には、画面上の出来具合と現実が上手く結びついていなかったが、今ではハイエンドの参照用器材を使用する代わりに、高精度のパーツを入手することができる。その使用も簡単で、正確、かつシンプルである」
Artec StudioによるAI フォトグラメトリの最大限の可能性については、こちらをご覧になっていただきたい。
もしくは、このテクノロジーの使用が如何に簡単かをiPhone、あるいはAndroid向けの実演用スマートフォンアプリでご覧いただき、画像や動画をアップロードの上、驚くほどリアルな成果をご自身の目でお確かめいただきたい。