3Dスキャンで作成したティラノサウルス・レックスの化石を1つずつつなぎ合わせました

05/07/2017

オランダの「4Visualization社」のバレンティン・バンヘッケ氏は、極めて良好な状態で保存されていた、6600年前の巨大恐竜の化石をスキャンしました。新しくつなぎ合わせた化石は、現在、地元の博物館に展示されています。

「トリックス」の愛称が付けられたこのティラノサウルス・レックスが2013年に米モンタナ州で発掘された時、古生物学会に衝撃が走りました。骨の80%以上が保存されており、これまで発掘されたティラノサウルス・レックスの化石の中で3番目に完全な状態の化石でした。

化石は、オランダ・ライデンに本拠地を構えるNaturalis Biodiversity Centerのスタッフにより発掘されました。化石は、このライデンで展示されています。この化石を展示するために、センターは3Dスキャニングサービス会社4Visualizationのオーナー兼設立者であるバレンティン・バンヘッケ氏に、各3Dモデルをつなぎ合わせ、スケルトンを完成させるため、化石全体と個々の骨の現場でのスキャンを依頼しました。欠けている骨は3Dモデルを制作し、これを3Dプリントして、適切な場所に収めました。

バンヘッケ氏は、トリックスをスキャンする準備が整えられた米サウスダコタ州にあるBlack Hills Instituteに2回出張しました。スキャンに使用されたのは、Artecのゴールドパートナーである4C Creative CAD CAM Consultantsが提供したArtec Eva 3Dオブジェクトスキャナでした。

Tレックスのスケルトンをスキャンするバレンティン・バンヘッケ氏

「最高でしたよ」と、バンヘッケ氏。「すべてはEvaでスキャンしました。 尾椎の最後の2つはほんの数センチしかなく難しかったのですが、なんとかキャプチャすることができました。もっとも、これは、本当にスキャンできる最小サイズの限界です。頭蓋骨は全長約2メートルもあり、その上、さまざまなディテールや病理学的な骨格や、眼窩や鼻腔などの穴が数多くありました。」

ARTEC Studio 11を使ったTレックスの頭骨

無数の小さな骨のスキャンに2週間かかり、化石全体には1日かかりました。骨のスキャン解像度は約0.3mmでした。

この骨はTレックスの下顎の一部です。丸い穴は他の恐竜に噛まれた跡です。これらは完全に治癒されているため、これが致命傷となったことはないでしょう。

「スキャンを撮り終えたすべての骨の後処理作業はオフィスでやりました。会社が営業していない時間にほとんどの作業を終わらせることができました。」とバンヘッケ氏は言います。「こうして、約200ピースのパズルが出来上がりました。完成した時の写真がついた箱はありませんでしたけれどね。」

バンヘッケ氏はArtec Studio 11 3Dスキャナソフトウェアを使って、すべての船のスムースメッシュを行いました。骨の大きさやディテールにより異なりますが、解像度は0.3~0.5 mm、ファイルサイズは200 Mb~1,000 Mbとなりました。バンヘッケ氏はメッシュ化したファイルを縮小し、これらをスケルトン全体のスキャンデータとともに1つのプロジェクトに取り込みました。

Artec Studio 11で頭骨、脊椎骨、肋骨のスキャンデータを組み合わせたところ

可能な限り、Tレックスの欠けている骨をミラーリングにより再現し、プリントしました。ミラーリングにはMeshmixerを使い、プリントが終わってから、色を付けました。

バンヘッケ氏は「Tレックスの欠けている骨は、別の標本の鋳型を作り制作しました。たとえば、足の骨は別のTレックス「スー」、椎骨は「スタン」のものを使って鋳型を作りました。右脚の骨は完全に揃っていましたが、左脚には欠けがありました。現在、トリックスは2本の右足で“歩き回る”ことができるようになっています」と言います。

欠けている骨はすべてUltimaker 3Dプリンタを使ってプリントされました。

Tレックスの欠けのない3Dスケルトン

「1つ1つのピースを組み合わせるのは大変な作業でした。なにしろ、鼻先から尾の先まで全長約13メートルもあるのですから。最初は、すべての骨を高解像度に設定してスキャンしようと考えていましたが、コンピュータの動作が鈍くなったので、骨の解像度を下げることにしました。」と、バンヘッケ氏。

その後、ファイルの解像度も下げてからアップロードし、通常のパソコンでも閲覧できるようにしました。このモデルはオランダの国営放送局でも、「Tレックスの遠征」と言う番組で取り上げられ、現在、Sketchfabの4Visualizationのページでも視聴できます。

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