Artec EvaとSpiderで最適な義肢装具(O&P)を製作

06/06/2019

義肢装具製作のスペシャリストが、全体的なコストを削減しながら、精密なO&Pをより速く製作するために、最適な3Dスキャナを必要としていました。

世界の義肢装具 (O&P) 市場は、2017の推定 81億5000万ドル。高齢化やスポーツ・フィットネス関連での傷害の増加、糖尿病関連での切断や骨がんの増大により、この数字は毎年世界的に増加しています。2050年までには、60歳以上の人口が倍増することが予想されており、2017年には9億6200万人であったのが、2050年には21億人まで急上昇すると言われています。

O&P製品の需要が上昇するにつれて、政府の医療計画や保険会社は、かつてのように支払いを行うのではなく、これまで以上に綿密に保険請求について精査するようになっています。この動向がO&Pのスペシャリストをよりタイトな状況に置くことになりますが、それと同時に、非常に需要のある、カスタムメイドのより精巧な義肢装具製作がより着目されることになるでしょう。

そういったO&Pを製作しているのが、ミネソタ州ウィルマー Hagen Orthotics & Prosthetics社です。オーナーのWarren Hagen氏は、軍隊経験がある公認の義肢装具士です。彼は自身の患者に最高のO&Pソリューションを提供することに、長年情熱を注いでいます。彼は、テクノロジーが彼の仕事において重要な役割を果たすことを熟知しています。それは、長年の経験の中で、常にベストのものを提供できたわけではないからです。彼は日々、自身の仕事の全ての側面に目を配り、それまで提供してきた製品よりもさらに優れた製品とサービスを作る方法を模索しています。

この思いにお答えできるのが3Dスキャンです。ほんの数年前まではSF好きの夢物語だったものが、今日では現実になっています。患者は座ってリラックスした状態で、脚や足、腕などの身体部分をハンディ型3D スキャナーでスキャンします。通常、わずか2分から5分程度でスキャンは終了します。その後スキャンされたデータは、EVAのデータ形式から、3Dプリンタや装具を「彫る」特殊なルータ用の3Dモデルへと変換されます。これは全てオフィスで行うことが可能であり、製品の精度、コスト削減、品質は驚くべきものです。

「スキャナからルータを使用するまでの各ステップで、少なくとも30% は時間を節約できたと思います」とHagen氏。「長い目で見れば、削減コストは30%をはるかに超えるでしょう」

しかし、これまでもこのようにうまくいっていたというわけではありません。Amfitのような様々な3Dスキャナを長年にわたって使用してきましたが、厳選の結果、最終的に医学や科学及び他の分野でも定評がある2つの産業用カラー3Dスキャナ Artec Eva とSpiderに落ち着きました。2つのスキャナは100%安全なストラクチャー・ライトを使用しているので、患者だけでなく技術者にとっても、医学の分野において最適です。Evaはゴールド認定代理店の Laser Design社から、Spiderも正規代理店のRapidscan 3Dから購入しました。

「それぞれのArtecスキャナが、信じられないほどのモデルを作り出す能力を提供してくれています」とHagen。「Evaはより大きなボディパーツでの作業に最適で、space spiderはキャストのモデルや小型でより詳細なプロジェクトに最適です。」

3Dスキャン以前のO&P製品の設計では、患者のためのキャストを作るために石膏とグラスファイバーを使用していました。これらの技術は必要であればまだ使うことができますが、石膏鋳造は、正確なデジタル3Dスキャン (スキャンに2〜5 分、キャストに11分) を行うのにかかる時間の平均200% 〜 500% の時間が必要で、手間がかかります。コストについても同様で、平均的に石膏鋳造は材料費が50ドル以上かかり、製作に関連する人件費は言うまでもありません。それに比べて3Dスキャンのコストは、ほんの数ドルです。

「私たちの患者の多くは高齢者であり、ギプス採型のためにじっと座っていることは、彼らにとって全く快適ではありません」とHagen氏は語っています。「EvaとSpace Spiderの素晴らしいところはまさにそこなんです。じっと座っている時間がわずか数分で済むというのは、快適さが全く違いますから。」

さらに近年では、患者の満足度が「満足」から「熱愛」へとアップしているようです。Hagen氏は「患者はすぐに、これは彼らがちょっとカウンターで買うことができるようなレベルのものではないことがわかります。患者のために設計され、彼らの解剖学的身体形状とライフスタイルに合わせて制作されたカスタム製品で、しかも長く使えるのですから。年令を重ねると可動性もとても重要ですが、私たちは制作した義肢装具でこの可動性を患者に再び取り戻してもらっているのです。この喜びについて、患者は友人や家族に話しているようです。」

作業プロセスは以下のとおりです。来院した患者は、身体的な検査、口頭による調査、病歴など評価されます。次に、患者の腕や脚、または他の身体部分を Evaまた Space Spiderでスキャンします。スキャンはArtec Studio で直接実行され、Arted Studioでスキャン画像は3Dモデルに加工されます。例えば脚部のスキャンの場合は、3Dモデルは Fitfoot360 (カスタム義肢装具デザインプログラム) に STLファイルとして送信されるか、他のボディパーツ (脚、腕など) 用のMeshmixerに送られ、その後3Dモデルは彫り出し用の3Dモデルを準備するソフトウェアAspireに送信され、その後彫り出し用のルーターFreedomに送られます。

最終的な3Dモデルは、3Dプリント用ソフトウェアのSimplifyに送信することも可能です。装具の場合は、上部カバーを接着し、準備ができた製品はフィッティングのために患者に運ばれます。3Dプリントに関して、この作業で脚、手首、足、手の矯正具を定期的に設計・製作しています。

「精度に関しては、どこにも負けません。そして、この精度をいついかなる時でも提供できるということは、特に無視できない大切な部分です。」とHagen氏。「 EvaとSpace Spiderでのスキャンは、パソコンに映っているArtec Studio の画面で分かる通り、1-2-3という感じの簡単さです。パソコンの画面にリアルタイムで映し出されるので、スキャナがデータをきちんとスキャンできているのかがはっきりとわかります。」

彼らはまた、「シェルオフセット」と呼ばれるプロセスにもEvaとSpace Spiderを利用しています。これは、腕や脚などの特定のボディパーツをスキャンし、3Dモデルを Meshmixerなどのプログラムに送信することも含んでいます。たとえば、患者が右腕を骨折した場合、左腕は正常な状態であるため、 Evaで左腕をスキャンします (Space Spiderは小さいボディパーツに使用されます)。ソフトウェアでこの腕は「ミラー化」され、右腕のようになり、これによって左右の腕が正しく対称になります。

新しい腕の3Dモデルはこの状態から、問題のある部分を取除いたり、骨周辺や関節の周辺に修正を加えられます。これは、3Dプリント後、装具に余裕をもたせるためです。この時点で「シェル」が腕のデジタルコピーから作成され、求められる厚さに応じてオフセット部分を増やしていきます。3Dデジタルでの腕のサイズは、x、y、z 座標で拡大され、次に、修正された腕とシェルの外装の両方が、Meshmixerのブール差編集コマンドを使用して、空洞のシェル/装具の外装を作成するために、ソフトウェアの中で選択されます。

「こうやって私たちは完璧なシェル、カバー、ギブスなどを制作しています」と語るHagen氏は「我々はまた、破損に対する補強をするために装具へのキーエリア構築などを行ったり、患者がより簡単に取り外しができるよう、装具の周りの領域をカットしトリムするためにもソフトウェアを利用します。その後で、3Dプリンタに装具のモデルを送ります。」

「私たちの装具は、患者の使用の仕方や設計、使用される材料にはよるものの、何年と言わずとも長期間使えるように作られています。Hagen Orthotics & Prosthetics社では、EVAやMDFなど最高品質の素材を使用しており、PETG、PLA、コポリマー、ポリプロピレン、PCTPE などの様々なプラスチック系材料も使用しています。「おばあちゃんと320ポンドの重さがあるアメフトのラインバッカーでは、間違いなく異なる種類の装具が必要です。それぞれが本当に必要なものを、誰にでも、いつでもご提供できるとお伝えできるのが、本当に嬉しいです。」

3Dプリントによる AFO (短下肢装具)  Warren Hagen と Artec Spider

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