3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

Artec Leoによる重機の個別適合

課題:カナダの製造企業が、困難を伴うことの多い様々な状況でリバースエンジニアリングを行うための素早く、安全で正確に重機のジオメトリをキャプチャできる効率の良い方法を必要としていた。

ソリューション:Artec Leo、Artec Studio及びGeomagic for SOLIDWORKS

結果:何日、何時間にも及ぶ大幅な作業時間の削減、及び従来の手作業での計測法からArtec Leoを用いた3Dスキャニングへ変更したことに伴う、劇的な信頼性の向上。

なぜ、Artecなのか:Artec社製の機器は、ほぼすべての産業において幅広く多様化しているワークフローの価値を本当の意味で高めることのできる、使用も容易な多用途性のソリューションである。様々な種類の重機への付属品を設計製作しているカナダの企業であるWeldco-Beales Manufacturing社のケースほど、その多様性を具現化している例はない。

Weldco-Beales 社は千九百四十五年の創業から半世紀以上に亘り操業を続けている、数十年の歴史を持つ企業である。これほどの長い間存続し、繁栄していきたいと考える組織は、常に優れた文化を忠実に守りながら、難題を乗り越えるための新たな手法をも絶え間なく探求していく必要がある。これは、企業の上級技術管理者であるマイク・アチェト(Mike Aceto)も理解している点である。

「我々の業務をご覧になった方は、我が社の従業員は段取りを端折ったり、手を抜いたりしない、とお感じになるだろう。我々は新たなテクノロジーを採用し、取引先の目の前で利用したりすることにも躊躇しない」と、アチェトは説明する。

このカナダの生産企業は、トラックに取り付けるクレーンや掘削機用の遠くまで届くような長いブームから、特定の用途のための個別製作のソリューションまで、ありとあらゆるものを取り扱っている。取引先は様々な種類の要望を持って同社を訪ねてくるが、その業務班はそういったすべての要望に応えることを期待されている。一世紀近続く評判は、その証である。

Weldco Javelin

Weldco-Beales社は、 様々な種類の重機への付属品を設計製作している。画像は、Weldco-Beales社のご厚意により掲載

ソリューションの発掘

そのため、業務班はプロフェッショナル用の3Dスキャニングソリューションに注目した。Weldco-Beales社は建築から林業、鉱業、スクラップ再利用、道路維持管理やその他のあらゆる業界に取引先を持っている。業務班が作業を行う際には、日常的に異なる様々な状況下で計測を行う必要が生じていた。

対象となる機器は、屋外の平坦でない地面上や狭い空間、安全性の問題が生じるような高度な場所に設置されていることが多い。そのような状況下では作業の速さや携帯性は必須となるが、正確さへの要求の度合いは通常と同様に厳しい。そのような要求は、手作業での計測に頼る従来の方法や、半端な手法を用いたその場限りのやり方で応えられるものではなかった。

Weldco Javelin

作業対象の機器は、課題の生じるような箇所に設置されていることもある。画像は、Weldco-Beales社のご厚意により掲載

Weldco-Beales社は、TriMech社の傘下にある企業であるJavelin Technologies社へと目を向けた。Javelin Technologies社は地域でのArtec 3D社のゴールド認定パートナー企業であり、Weldco-Beales社が何年も業務提携を行っている企業である。今回業務を行ったJavelin Technologies社の最高顧客責任者(Client Executive)であるウェイン・ケラー(Wayne Keller)は、この相互関係についてこう語る。

「我々のマイクとWeldco-Beales社との関係は、取引先との業務提携の理想の形を表すのに相応しい例である。我々は何年もかけてお互いのことに詳しくなり、Javelin Technologies社は我が社にとって信頼のおけるアドバイザーで、且つ、テクノロジーを扱う際のパートナーとなった。」

Javelin社の業務班はWeldco-Beales社のニーズを分析し、数種類の提案を行い、選択肢を提供した。Artec Leoは、その中のいずれの選択肢にも含まれていた。

Weldco Javelin

スキャニングは、狭い場所で完了しなければならないことも多い。画像は、Weldco-Beales社のご厚意により掲載

Leoは、携帯した上でのスキャニングが可能な、他に例を見ないAI駆動型の3Dスキャナである。この機器では、内蔵されたタッチスクリーンにリアルタイムで3Dモデルを表示でき、スキャン中に処理を行うことも可能である。また、背景やベース除去などの高性能の機能により、スキャニングの複雑さも普通の動画撮影並みの簡単さとなる。Leoは長時間の使用も可能とする内蔵バッテリーを搭載し、他の機器へ動画をストリームすることも可能なワイヤレス接続性も有しており、スキャンデータをクラウドへ転送することにより、オブジェクトのキャプチャとそのデータ処理をそれぞれ別の場所で行うことも可能である。Weldco-Beales社の業務班にとって、この機器はすぐにその恩恵にあずかることのできるようなソリューションであった。

「3Dスキャナの購入は即座に価値をもたらし、その投資に対して見返りが期待できる、大きな買い物となる。我々の業務においても、その効果はすぐに現れた。現在の協力関係を重視し、購入はJavelin社から行った」と、アチェトは説明する。「当社が特に好ましく感じたのは、Javelin社が複数の種類のテクノロジーを提供している点と、あらゆる形でサポートを受けることができる点である」

「内蔵スクリーン、そして、ラップトップを別途に用意する必要がないことは、大きな利点である」

Leoの最高〇.一ミリのポイント精度、最高〇.二ミリの3D解像度、そして、毎秒最速で三千五百万ポイントのデータ取得速度なら、Weldco-Beales社の業務班は精度、携帯性、速度、そして安全性のニーズにすべて応えることができる。業務に支障をきたすような場所での作業もより簡単に、より安全に、そして、より速く行うことができるようになった。

「内蔵スクリーン、そして、ラップトップを別途に用意する必要がないことは、我々にとって大きな利点である」と、アチェトは認める。「その上、電源コードを気にする必要もないということは、引っかかって転ぶ心配もないということだ」

Weldco Javelin

Artec Leoでスキャン中のWeldo-Beales社の上級技術管理者マイク・アチェト。画像は、Weldco-Beales社のご厚意により掲載

ほんの数分で

スキャンの導入による恩恵は、転機をもたらすことにも繋がった。アチェトは、自身の業務班が巻き尺や紐、ダンボールの型紙や写真を使用して、取引先が新しく改良した機器に新たにバケットを取り付けるよう要望した箇所を分析し、モデル化していた頃について言及した。

Artec Leoなら、業務班は過去に半日も費やしていた物品のキャプチャも、数分で完了させることができる。

その過程では、初回の試行の前でさえも、準備や計画には何時間も掛かっていた。業務班は3D モデルを完成させるために、自身で手作業により計測したデータをSOLIDWORKSへ入力しなければならなかった。しかし、Artec Leoを使用すれば、業務班は過去に半日も費やしていた物品のキャプチャも、数分で完了させることができる。

「作業を速く行うことができる上、正確さと品質も保証できることは、大きな効果があった」

側面にブームを取り付ける必要があった以下のバックホーに関しては、この業務を完了させるには最低二、三日かかっただろう、とアチェトは推測する。それに対し、スキャニング過程は一時間ほどで完了し、そのデータ処理に掛かった時間も八時間程度であった。

Weldco Javelin

リバースエンジニアリングのためにこのバックホーを計測してCADモデルを作成するには、以前では二、三日かかったであろう。これに対し、現在の工程で費やしたのは数時間程度であった。画像は、Weldco-Beales社のご厚意により掲載

Artec Leoなら、オブジェクトの計測の際に綿密に計画を立てる必要もなく、試行錯誤を行う必要もない。Leoのジオメトリやテクスチャを基にしたデータ処理アルゴリズムがあれば、スキャニング前にターゲットを設置する必要も無くなる。また、このようなリバースエンジニアリング業務には必須だが、このスキャナは機器のジオメトリ上に使用に伴って生じる、基となるCADモデルには見られないような曲がり、摩耗、破損部などの変化を検知することもできるのである。

すべてをサポートし、柔軟な対応も

Artec社の製品は、Weldo-Beales社のような、カナダの異なる州に三つの生産用施設を持つ企業に役立つような多様性も持ち合わせている。スキャニングは一ヶ所で完了できる上、スキャンデータを共同作業向けの機能を持つプラットフォームであるArtec Cloudへ共有し、別の場所でCADモデルを作成する際に利用することもできる。その上、生産作業を更に別の第三の場所で行うことも可能だ。

Artec社の製品はすべて、利便性と使い易さを考慮した上で設計されている。しかし、Javelin社の担当班は工程全般において、更なるサポートを提供する必要があった。

「我々がArtec 3D社のスキャニングシステムが最適だと思った工程での作業の際には、初期の実演デモの段階から、Weldo-Beales社の業務班が確信を持ってこのテクノロジーを使用できるようになるまで、その使用方法の説明や指導を行った」と、ケラーは話す。

アチェトは、Artec社によるトレーニングやサポートに満足していた。

「新たなテクノロジーの導入の際はいつでも、その習得には時間が掛かる」と、アチェトは語る。「Javelin社は素晴らしい仕事をしてくれた。コリー(グリーン、Cory Green)は時間を要してでも、我々すべてがしっかり機器を扱えるようになるまで指導を行ってくれ、我々の方もいつでも質問をすることに恵まれた」

Weldco-Beales Manufacturing社の将来について尋ねられたアチェトは、今後も発展を続けていきたい、と答えた。企業は現在、大規模なオブジェクト用の長距離用スキャナであるArtec Ray IIと、更に二台のArtec Leoを購入することを考慮中である。

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